タヌキおやじの日々の生活 池波正太郎     

池波正太郎「幕末遊撃隊」を読破!!

幕末遊撃隊 (集英社文庫)幕末遊撃隊 (集英社文庫)
(2009/06/26)
池波正太郎

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池波正太郎作品の「幕末遊撃隊」を再読する。
伊庭八郎という幕末の剣術使いを主人公にした小説である。
ちなみに、伊庭八郎(いば はちろう、1844年~1869年)とは、日本の武士・幕臣であり、諱は秀穎(ひでさと)。
幕末江戸四大道場の一つの剣術道場「練武館」を開いていた心形刀流宗家・伊庭家の跡継ぎでもあったそうな。
八郎は幼少の頃、剣術よりも漢学や蘭学に興味があり、剣術の稽古を始めたのは意外と遅くなってからだった。
しかし、天性の才能から頭角を現し、伊庭の小天狗、伊庭の麒麟児と異名をとる様になる。
とある。(例によってウィキペディア引用)
ネタばれになってしまうが、この人物、鳥羽伏見の戦いに参加した後は、主に幕臣で構成された遊撃隊を率いて関東・東海を転戦し、官軍に立ち向かう。

吾輩は、あまり知らなかったんだけど、思い出してみると、昔、テレビ放映していた榎本武揚を題材にしたドラマには、隻腕の剣士ということで、登場していたような気がする。
関東・東海を転戦中の箱根の戦いについてはよく書かれているけど、最後の五稜郭の戦いについては、ほとんど省略されていて、八郎についていた鎌吉の回想として八郎の最期が語られるという構成になっている。
あくまで、池波正太郎は、剣士としての八郎の生き様を書き、決闘の場面をメインとし、戦闘の場面はあまり書かなかったようである。
全体的に、戦闘の場面が少ないのは、特に、函館戦争における八郎の生き様があまり書かれていないのは、残念である。
函館戦争は、箱根の戦いと同じぐらい八郎が命を燃やした事件だと思うのだが。。。
そのため、いまいち小説としての盛り上がりに欠けるなあと思った。
それに、淡々と書かれすぎているような気がする。

話は変わるが、この小説での敵役として、八郎に恨みを抱き、八郎をつけ狙う杉沢伝七郎なる人物が登場するのだが、この人物、阿波藩士という設定になっている。
ちなみに、実在の人物かどうかは分からない。
阿波藩というのは、吾輩の生地である徳島にあった藩で、藩主は、蜂須賀氏だったのだが、先祖が蜂須賀小六といって、豊臣秀吉の天下統一を助けた人物であるという以外には、取り立てて特徴がない藩なので、まあ、小悪役にするのにちょうどいいんだろうなあと悲しい思いを抱いてしまった。
司馬遼太郎の「胡蝶の夢」でも、阿波藩はめちゃくちゃに書かれていた。
が、そんなにひどい藩でもなかったのではと思うのだが。。。。。
よく言えば、中庸の徳を持った藩ではないかと。。。。

ともあれ、江戸っ子侍の伊庭八郎が、鳥羽・伏見の戦い、箱根の戦い、五稜郭の戦いと、幕臣の矜持を貫き通す様が書かれている。
太平の世に慣れて惰弱になってしまった幕臣の中でも、気概を持って、最後まで官軍に抵抗を続けた人たちがいたということは、関東の人間にとっては、せめてもの救いではないかと思われる。
何の抵抗もせずに、滅びゆくのはあまりにも悲しすぎる。

自分の評価
★★★☆☆50点

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2012年7月3日改訂。

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池波正太郎「幕末新選組」を読破!!

幕末新選組<新装版> (文春文庫)幕末新選組<新装版> (文春文庫)
(2004/01/10)
池波 正太郎

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池波正太郎の「幕末新選組」を一週間ぐらいで読み終えた。
「新選組」ではなくて「新撰組」じゃあないのかな???
どっちの字が正しいんだろう???
ともあれ、内容はなかなか面白かった。
主人公は、新撰組隊士の永倉新八である。
斎藤一と同じく新撰組の生き残りとして有名な人物である。
ウィキペディアには、『永倉新八(ながくら しんぱち、1839~1915)は、幕末の武士、新選組隊士。
姓は長倉、諱は載之(のりゆき)。幼名は栄吉、栄治。
松前藩を脱藩後、新選組に入隊し、二番隊組長及び撃剣師範を務めた。
明治期に杉村義衛と改名し、樺戸集治監の撃剣師範を務めた。』とある。
非業に倒れ、短命であった人が多い幕末の有名人のなかでは、長生きをしている。

ともあれ、あらすじはというと、江戸詰の松前藩士の息子として生まれた永倉新八が剣術の稽古に明け暮れ、やがて、近藤勇たちと付き合うようになり、新撰組を結成し、戊辰戦争に敗れ、天寿を全うするまでをさわやかに書いた小説である。

新撰組にまつわる事件は、大体、他の小説で読んで知っていたが、永倉新八を主人公とすると、新たな視点で見ることができて、なかなかおもしろかった。
あと、永倉新八の晩年をどう生きたかが分かって面白かった。
司馬遼太郎の土方歳三を主人公とした「燃えよ剣」とは、違った面白さと視点があると思う。
しかし、新撰組は、粛清が多いこと多いこと。
なんかの番組でやってたけど、戦死より粛清で死んだ隊士の方が多かったそうな。
組織としての戦闘力をフルに発揮させるために、隊規を厳粛にした結果、粛清が多くなった訳である。
そんな中で、生き延びた新八は、きっと敵以外の誰からも好かれる人間であったのだろうと俺は思う。
乱世では、多くの人が命を落とすけど、やっぱり生き延びる方になりたいです。

自分の評価
★★★☆☆60点

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池波正太郎「武士(おとこ)の紋章」を読破!!

武士(おとこ)の紋章 (新潮文庫)武士(おとこ)の紋章 (新潮文庫)
(1994/09)
池波 正太郎

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池波正太郎の「武士(おとこ)の紋章」を読み終えた。
「武士」と書いて「おとこ」と読ませるとは、「魁、男塾」的なものを感じるのは吾輩だけであろうか(笑)

一編目は、「知謀の人」。
軍師、黒田如水が書かれている。
二編目は、表題作の「武士(おとこ)の紋章」。
滝川一益の孫である滝川三九郎の生き様が書かれている。
三編目は、「三代の風雪」。
真田昌幸の長男で、真田幸村の兄の真田信之の生き様が書かれている。
この人の人生を考えると、長男はつらいよと。。。同じく長男である吾輩などは思うのである。
四編目は、「首討とう大阪陣」。
真田昌幸の次男の真田幸村が書かれる。
五編目は、「決闘高田の馬場」。
忠臣蔵の堀部安兵衛の若かりしときのことが書かれる。
六編目が、「新撰組生き残りの剣客」。
新撰組の永倉新八が書かれる。
七編目が、「三根山」。
昭和の相撲取りの三根山が書かれる。
八編目が、「牧野富太郎」。
明治期の植物学者である牧野富太郎が書かれる。

戦国時代と江戸時代と明治維新と明治時代と昭和とをそれぞれ、己の生き方を信じ貫いた男たちの物語で、そこそこ面白かったと思う。
滝川一益の血統が、旗本として残ったことは、この本を読んで初めて知った。
表題作だけあって、「武士(おとこ)の紋章」が一番面白かった。
しかし、池波正太郎は、真田一族と永倉新八には、なみなみならぬ愛着があるのではないかと。。。。
真田については、「真田太平記」で詳しく書かれているし、永倉新八については、「幕末新撰組」で主人公となっている。
まあ、分からぬでもない。

自分の評価
★★★☆☆60点

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池波正太郎「戦国幻想曲」を読破!!

戦国幻想曲 (新潮文庫)戦国幻想曲 (新潮文庫)
(2000/08)
池波 正太郎

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池波正太郎の「戦国幻想曲」を読み終えた。
戦国の槍武者、渡辺勘兵衛が主人公である。
渡辺勘兵衛、本名、渡辺了(わたなべさとる、1562~1640)は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武将だそうな。
「槍の勘兵衛」と称される槍の名手であったとある(byWiki)。
まあ、戦国時代に湧き出るように登場した強烈な個性を持つ人物の一人である。

あらすじはというと、渡辺勘兵衛は、天下に聞こえた大名につかえよ、と父から遺言され、槍術の腕を磨く。
そして、甲州武田攻めにおける高遠城で信長の嫡子、信忠の危機を救う武功により、一躍有名を馳せた。
しかし、信忠が本能寺の変で信長と共に討ち死にしてしまう。
その後、「おれが主人には不足も不足」と、主人の器量を見極め、選び仕えた人物は生涯で五人であった。

この人物、人に仕えるには、個性が強すぎたような気がする。
戦国の昔でも現在でも、人や組織に仕えるには、個を押さえる必要があるのだ。
それに、才能や個性が強い人物は、特に上司との相性があうあわないがあるので難しい。

しかし、池波正太郎は、そのような強烈な個性を持つ渡辺勘兵衛を気持ちのよい爽やかな武士として書いている。

本書では書かれていなかったが、ウィキペディアによると、渡辺勘兵衛は、藤堂高虎に仕えていたときには、高虎の居城となった伊予国の今治城の普請奉行を務めるなど、槍働き以外の才能を見せたりしている。
槍武者としての才能の他に物事を差配する才能もあったようである。

しかし、大阪、冬の陣では、長宗我部盛親の部隊に蹴散らされ、夏の陣では、本書にあるとおり、高虎の撤退命令を再三無視し、その後、出奔することになる。
まあ、槍の才能と、物事の差配の才能を持っていたが、戦場における将としての才能は疑問符がつく。

そして、このことも本書には書かれていなかったが、出奔後、再び仕官の道を探すものの、藤堂家から、仕官を他の家にさせないようにする願いである奉公構の触れが出されたらしい。
まあ、二十万石の大大名家からそれほどの扱いを受ける大人物と言えるかもしれない。

印象に残ったのは、渡辺勘兵衛の父親、勘太夫の臨終の言葉。
『わしは・・・わしは阿閉ごとき莫迦者の家来になぞ、なっていたくはなかった
もっと、もっとえらい大名の下で働き、この戦乱の世に、渡辺勘太夫といえばあの男と天下に知られるほどの武将になりたかった、のじゃ・・・』
『いざとなれば、阿閉から飛び出て、天下にきこえた大名に仕えよ。
そのときは、妹たちは捨ておけい。女どもは何とでもなる。
わかるか、わかるな』

それから、勘兵衛の言葉。
『おれが主人には不足も不足』
職場で上司に対して言ったら、即刻、首か、とばされそうな言葉ですw

ともあれ、勘兵衛の武士としての矜持と爽やかな生き方と、勘兵衛とその家族のやり取りが微笑しながら読める一冊である。

自分の評価
★★☆☆☆70点

改訂2012年5月6日

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池波正太郎「忍びの旗」を読破!!

忍びの旗 (新潮文庫)忍びの旗 (新潮文庫)
(1983/09)
池波 正太郎

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池波正太郎の「忍びの旗」を再読する。
吾輩が初めて読んだ池波正太郎の作品であった。

甲賀忍びの小説である。
一口に忍びと言っても、それぞれの特技があり、特技に応じた忍びの活動をするそうである。
例えば、敵地に潜入してしかるべき職業につき、得た情報を送りつづける忍びもいるそうな。
また、一生のうちでまったく戦わない忍びもいるそうな。
そのような中で、戦場に出る忍びを「戦さ忍び」というらしい。
戦さ忍びである上田源五郎(本名、小杉虎松)が、本書の主人公である。

あらすじ(カバー裏面より引用)
『戦乱の渦がいやおうなく忍びの世界をも巻きこんだ豊臣秀吉の治世―――――
甲賀忍者・上田源五郎は、亡父の敵とは知らず、その娘を愛した。
彼の運命を変えたのは、実にこの時であった。
忍びの生死は闇から闇へ消えるもの。だが俺は・・・・
組織の非常の掟にそむき、執拗な追跡をうけつつも、人間の熱い血と忍者の過酷な使命とを、見事に溶け合せて生きぬいた男の流転の生涯。』

まあ、主人公、上田源五郎は、忍者の役目で、亡父の敵に間者として仕えることになるが、その娘を愛し、子を孕ませてしまうのだ。
その結果。。。。というお話だ。
若気の至りというものかもしれないが、甲賀を裏切る前の源五郎は、どうも甘いところがある。
そこを熟練の同僚忍びたちにいじられるのだが、そこらへんの機微が面白い。
しかし、秀吉による北条征伐が始まり、亡父の敵である山岸十兵衛と相対するうちに、戦乱から結ばれた山岸の娘とその家族を守るために、性根が座っていく様子が上手く描かれている。
源五郎が、山岸一家を守るために取った行動が本書のクライマックスの一つである。
あとは、ひたすら、甲賀の追手から逃げまくると。。。。
源五郎は、忍びの術を駆使して追手から逃げることに陶酔する訳である。
忍びの生死は、闇から闇へと消えるものと本書中でだれが言っていたが、父親と同じように源五郎もついには。

ともあれ、ほんとうの忍者が、こんな感じだったのかはわからんけど、戦国版ジェームズ・ボンドって感じで楽しんで読める一冊である。

自分の評価
★★★★☆80点

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城郭シリーズ第49弾『小田原城(その2)』
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2012年10月30日改訂。

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プロフィール

tatsunootoshigo

Author:tatsunootoshigo
関東育ちの三十路親父です。
今は、関東に住んでいます。
現在、日本百名城攻略中!!
座右の銘は、
「はやきこと風の如く、
 静かなること林の如し、
 攻めること火の如く、
 動かざること山の如し」。
よろしくです。
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