タヌキおやじの日々の生活 エドウィン・P・ホイト「ガダルカナルの戦い―アメリカ側から見た太平洋戦争の天王山」を読破!!     

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エドウィン・P・ホイト「ガダルカナルの戦い―アメリカ側から見た太平洋戦争の天王山」を読破!!



これもかなりの良書であった。
基本的に海外の訳本は読み難いことが多いのだが、これは訳者がうまいせいか、読みづらさを感じなかった。
ガダルカナルの戦いについて書いた本である。
アメリカ軍海兵隊がガダルカナル島に上陸したのが1942年8月で、日本軍が消耗戦にまきこまれた後に島を諦めて撤退したのが1943年1月である。
太平洋戦争が始まったのが、1941年12月で、敗戦が1945年8月なので、開戦から一年もしないうちに敗色の色が濃くなったことが分かる。
日本では、なにかと白兵突撃とか戦力の逐次投入とか餓死とか潜水艦による輸送作戦とか、日本軍の無能ということで否定的に捉えられがちな戦いだが、アメリカ側からすると、かなり苦しい戦いであり、島を撤退する寸前であったとする。
そして、アメリカ側から見た日本に対する予想外の肯定的な評価もあったりと、意外なことがアメリカに苦戦を強いていたことがわかる。
それは、日本の潜水艦であったりするわけである。

目次
第一章 フレッチャーの逡巡
第二章 上陸作戦
第三章 柵の中に忍び込んだ狼―サボ島沖海戦
第四章 反撃
第五章 好機を逃す
第六章 激戦
第七章 忍耐の時
第八章 「ブラッディー・リッジ」(血染めの丘)
第九章 ワスプ沈没
第十章 指揮官の情勢判断
第十一章 エスペランス岬沖海戦
第十二章 X-DAY
第十三章 ハルゼーの着任
第十四章 Y-DAY
第十五章 サンタクルーズ沖海戦―南太平洋海戦
第十六章 兵力増強
第十七章 ガダルカナル海戦
第十八章 決定的勝利
第十九章 タサファロンガ海戦
第二十章 撤退の決定
第二十一章 最後の海戦
第二十二章 ”スロット”の奇跡

米海軍のハンターキラー部隊が編成されて効果を上げ始めるのは、ガダルカナル戦以後であった。
おそらく、独海軍のUボートに対する英海軍の対潜作戦の成果を取り入れて効果を上げ始めたものと思われる。
一般には日本海軍の潜水艦は全く活躍しなかったとされているが、著者によると、ガダルカナル戦までは相当に米海軍やガダルカナル島への輸送に打撃を与えたとする。
日本海軍は、10隻以上の潜水艦を常時、ガダルカナル島の南に配置させていたとのこと。
これはあまり知られていない事実であると思う。
その結果、潜水艦によって米空母を撃沈するなどの戦果があったわけである。
ガダルカナル戦のときに、空母の数では日本軍は上回っていたし、海軍力では大方上であったが、そのアドバンテージを活かせなかった。
アメリカ軍の補給力や基地設営能力が凄まじかったからだ。
撃墜しても撃墜しても補給されてくると。。。
この戦いの後に、新型の米空母が大量に配備されて一気に日米の海軍力が逆転するのだが、その前から勝負はアメリカ側に分があったということらしい。
また、敗因の一つとして、日本軍は海戦に勝利しても、輸送船団を攻撃するところまで行えなかったことが挙げられるかもしれない。
米空母や基地の航空機による攻撃を恐れたからである。
そのため、米空母がいないときに海戦に勝利した場合でも、米空母を恐れて撤退というようなケースが多かった。
制空権を取られていることは、日本艦隊の数的質的有利をかなり減少させた。
あとあとのレイテ沖海戦の栗田提督もそうだが、制空権を取られたり、敵情を含む状況が分からないということは司令官を臆病にさせて、その行動を縛ってしまうものらしい。
これらのことを総合するに、空母が何隻とか戦艦が何隻とか飛行機が何機とかの正面装備の質量も大事なのだが、情報を収集して分析して敵情や戦場の状況を知ることが大事であり、そのために資源を配分することが重要であることが推測される。
いずれにしても、アメリカ側も相当に苦しい戦いであったらしい。
太平洋戦争が、日本にとって何の利益もない戦いであったことは確かだが、アメリカ軍と始めの方は互角に戦って、日本手ごわしという印象を後世まで残したのかなあとも思い直した。
あまり戦中戦前の日本を肯定するのも何だが、合理的精神を書いていたことも確かだが、否定するばっかりも脳がないなあと思い直した一冊であった。
ガダルカナル戦について知りたい人は必読かと。。。

自分の評価
★★★★☆85点

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コメント

お久しぶりです

日本から見ると九死に一生、玉砕のイメージが強い南方戦ですけど、アメリカ側の犠牲者も多いんですよね
戦死者の数では差がありますけど、負傷者を含めた数だと接近している戦場がけっこうあります
戦後の証言とか聞いてると、アメリカ人にとってもトラウマなようです

潜水艦に関しては、海上の決戦ばかり考えて軽視していたようですね
潜水艦の軽視は兵站の軽視にもつながると思います
  • 2015-07-12 23:03
  • URL
  • 以蔵 #-
  • Edit

Re: タイトルなし

どうも、以蔵さん

> 日本から見ると九死に一生、玉砕のイメージが強い南方戦ですけど、アメリカ側の犠牲者も多いんですよね
> 戦死者の数では差がありますけど、負傷者を含めた数だと接近している戦場がけっこうあります
> 戦後の証言とか聞いてると、アメリカ人にとってもトラウマなようです
そうですね、米軍側からすると、日本軍は手強かったというインタビューが多かったですね。
戦力が拮抗していた時期の戦いなので、特にそう思うのかもしれません。

> 潜水艦に関しては、海上の決戦ばかり考えて軽視していたようですね
> 潜水艦の軽視は兵站の軽視にもつながると思います
潜水艦を物資輸送に使ったりと。。。
きほん、ドイツとかと違って潜水艦の使い方を間違えていたように感じます。
兵站については、秀吉の朝鮮出兵の時代から日本ではあまり重要視されていないですね。
日本の軍隊というのは、あまり外征に向いていないみたいです。
  • 2015-07-13 06:46
  • URL
  • tatsunootoshigo #-
  • Edit

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関東育ちの三十路親父です。
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現在、日本百名城攻略中!!
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