タヌキおやじの日々の生活 吉村昭「生麦事件」上下巻を読破!!     

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吉村昭「生麦事件」上下巻を読破!!

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吉村昭の「生麦事件」を一週間くらいで読み終えた。
生麦事件とは、幕末の1862年9月14日、横浜郊外の生麦村で薩摩藩・島津久光の大名行列に遭遇したイギリス人が薩摩藩士によって惨殺された事件である。

生麦事件については、司馬遼太郎の作品でもよく出てくるが、司馬遼太郎と吉村昭では、だいぶ見方が違うと感じた。
例えば、司馬遼太郎は、島津久光を愚かな君主として書いているのに対して、吉村昭は、あくまでも名君として書いている。
司馬作品では、生麦事件において、久光の命令によってイギリス人が惨殺されたとなっているが、吉村作品では、藩士の判断によって惨殺されたとなっている。
自分などは、多分に、司馬遼太郎の作品に洗脳されているところがあるので、本当かよと疑ってしまう。
どちらが真実かは、永遠に謎のままであろう。
俺が思うに、島津久光は、ちょっと保守的な普通の人なんだろうと思う。
ただ、前藩主で兄の島津斉彬が誰もが認める名君であったので、その分、比較されて損であるような気がする。
でも、それにしても久光を名君にするのは無理があるような気がするのである。

司馬遼太郎が、久光を愚君とする理由として、おそらく、①斉彬が興した日本最初の洋式産業である集成館事業を一時中止してしまったこと、②寺田屋の変で自藩の藩士を惨殺したこと、③生麦事件を起こしたこと、などがあるんだろうなあと推察される。
ま、要するに司馬遼太郎は、保守的な久光が嫌いなのである。
同じような理由で司馬遼太郎は、徳川家康も嫌っていたわけである。

それに反して、吉村昭は、そういう捉え方はしていないようである。
ともあれ、この小説の話に戻ると、全体として、生麦事件から戊辰戦争までが書かれている。
特に、生麦事件、下関戦争、薩英戦争、第二次長州征伐について、詳しく書かれている。
吉村昭は、生麦事件が尊王の志士たちを攘夷から開国へと向かわせた一つのターニングポイントであったと指摘している。

この小説を読んで思ったことは、人によって、史実のとらえ方が違うということである。
幅広く本を読まないと偏ったものの見方をしてしまうようになると気付かせてもらったような気がする。
特に司馬遼太郎の幕末物を読み終わった人には、ぜひ読んでもらいたい一冊である。

自分の評価
★★★☆☆60点

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コメント

『ふぉん・しいほるとの娘』、お薦めします。
  • 2010-06-19 11:51
  • URL
  • べっちゃん #-
  • Edit

どうも

お薦めありがとうございます。
分厚いのが上下巻あって、二の足踏んでたんですが、近々読んでみようかと思います。
  • 2010-06-19 18:50
  • URL
  • tatsunootoshigo #-
  • Edit

生麦村の状況も違う捉え方をしています

吉村昭は大好きです。私は今では司馬遼太郎よりも吉村昭のほうを評価します。いま、日露海戦を描いた「海の史劇」を読み始めて、途中から「坂の上の雲」と読み比べているものですからちっとも前にすすみません。でも、相当に違いますよ。特にロジェストウインスキーとか・・・「フォン シシホルトのむすめ」も大変根気よく読みました。そして長崎へ行ったのです。そのぎを通って。出島もゆっくり見学、熊本港へ渡り・・阿蘇のふもとを通って下関へ・・・瀬戸内海・・・当時の人の足跡をたどりました。トラックバック、してみます。私も上手くないので、ちゃんとできるでしょうか

Re: 生麦村の状況も違う捉え方をしています

ももり様

コメントありがとうございます。
そうですね~。
吉村昭と司馬遼太郎では、色々な点で違う捉え方をしてますね。
「海の史劇」と、「坂の上の雲」とでもだいぶ違います。
人の考え方によって、歴史の捉え方が違ってくるということでしょうね。
「フォン シーホルトのむすめ」は、上巻だけ買いました。
近々、読み始めようかと思ってるところです。

トラックバックは、されてないみたいですよ~(笑)
  • 2010-06-30 20:30
  • URL
  • tatsunootoshigo #-
  • Edit

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