タヌキおやじの日々の生活 大石慎三郎「田沼意次の時代」を読破!!     

大石慎三郎「田沼意次の時代」を読破!!



改革が叫ばれる最近の日本政治。
いつの時代もそうだが、世の中というのは、一刻一刻と変化しており、一時には完全に機能していた政治体制も、時が過ぎれば、時代遅れのものとなり、改革というものが必要となる。
それは、江戸時代も同じであり、中央である江戸幕府でも、18世紀以降、次々に改革が行われては、失敗に終わった。
徳川吉宗がおこなった享保の改革は、短期的に成功であったが、長期的には失敗であった。
方向性が間違っていた、つまり、彼は重農主義を目指していたが、時代は重商主義を求めていたことにある。
そして、方向性が正しかったが、失敗した改革が、田沼意次によるものとされる。
田沼意次がどんな改革を行ったかを知るために読んでみた次第。

内容の紹介(カバーより引用)
『硬直した幕藩制社会変革への期待が庶民の胸に膨らむとき、意次は登場した。
新知識を貪欲に吸収し、鋭敏な財政感覚をもって新しい経済秩序の樹立を目指す彼は、ロシアとの交易を含む革新的な政策を次々に打ち出してゆく。
だが、その行手には松平定信率いる保守派のクーデターが待ちうけていた。
金権政治家のイメージを払拭し、新の意次像を提示する、著者会心の作。』

目次
プロローグ―郡上一揆と田沼意次の登場
第一章 田沼意次の虚像と実像
 1 田沼意次の履歴 2 つくられた悪評
第二章 吉宗の退陣と意次の登場
 1 吉宗退陣と家重継嗣 2 左近将監の罷免
 3 将軍の座を逃した松平定信 4 田沼意次の登場
 5 幕府の権力構造と田沼意次の位置
第三章 田沼意次の政策
 1 暗殺で阻止しようとした田沼の政策 2 流通税の導入
 3 通貨の一元化政策 4 蝦夷地の調査とその開発政策
 5 印旛沼の干拓とその挫折
第四章 田沼時代の社会
 1 文人たちの時代 2 天災と災害の時代
エピローグ―「遺書」を通してみた意次の人がら

田沼意次というと、金権政治を行い、大っぴらに汚職や賄賂がまかり通ったということで、有名である。
そこで、著者は、そのことについて書いている著作について、一つ一つ検証し、反論を試みている。
一人の著者は、他の政治家に対しても、同じように批判的な著作を残していると。。。
一人の著者は、田沼意次の政敵である松平定信の陣営に所属していたためであると。。。
管理人から見ると、かなり強引な反論にも思えるが、のちの松平定信がおこなった田沼陣営だった人々への苛烈な処遇を考えると、それも無理からぬことかとも思う。
田沼意次の祖先は、紀州徳川家の足軽の家の出であり、徳川吉宗が紀州藩主から徳川将軍となったさいに、その父が、紀州から江戸に来て、意次は、吉宗の子の家重の小姓となり、栄達した。
成り上がりもののために、必要以上にまわりから妬みや嫉妬を買ったということも原因の一つであろうと思う。
また、意次の行った改革が、それまでの徳川幕府の政治と多少ならずとも異なったものであったことも原因の一つであると思う。
つまり、農業ではなくて、商業の方を重要視して、改革を行ったと。。。
意次がおこなった政策を列挙する。
はじめに、間接税の採用である。
それまで、直接税である年貢を比率を上げ続けたために、一揆が多発していた。
また、貨幣経済の発展から、現在でいう消費税と呼ばれる間接税を導入した。
次に、株仲間という同業者の組合みたいなものを認めて、それに所属している人だけに営業を認めた。
このことは、粗悪品の排除という利点はあったが、新規参入の疎外という欠点もあったと管理人は思う。
それから、それまでは、通貨は、金・銀・銭がそれぞれ独立した価値を持ち、それぞれが相対的に変動していた。
つまり、一時は、金貨一両が、銀貨六十匁で、銭四貫文であったのが、金一両が、銀五十匁とか、銭4.5貫文になったりと、それぞれが相対的に変動するということである。
江戸は、きほん、金経済圏であり、大阪や京は、銀経済圏であった。
そして、その両替のために両替商という商人がいた。
しかし、それでは、日本国内で貨幣が流通する際に、非常に障害が多いので、意次は、それらの相対的な値段を固定化した。
あとは、蝦夷地の探検と開拓と、印旛沼の干拓であった。
開拓とか干拓というのは、それまでも行われており、新しいのは、間接税の導入と株仲間の創設と通貨の一元化であろう。
しかし、怜悧な頭脳で改革を進めていく田沼意次も、政敵が失脚させようと陰謀が企てられる。
まずは、息子の意知が暗殺され、その後、意次も道半ばで失脚する。
管理人が思うには、幕藩体制において成功した改革というのは、ほぼ同じであり、重農主義から重商主義への転換に成功した藩は、幕末において大きな役割を果たしていると思う。
改革というものが必要になりはじめた時代に、意次がどのように政治をすすめたかを知るうえで読む価値のある本かと思う。

自分の評価
★★★☆☆60点

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