タヌキおやじの日々の生活 吉村昭「ふぉん・しいほるとの娘」上下巻を読破!!     

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

吉村昭「ふぉん・しいほるとの娘」上下巻を読破!!

資格試験の勉強をしているのだが、暗記することが多くて、いっぱいいっぱいです(涙)

ふぉん・しいほるとの娘〈上〉 (新潮文庫)ふぉん・しいほるとの娘〈上〉 (新潮文庫)
(1993/03)
吉村 昭

商品詳細を見る
ふぉん・しいほるとの娘〈下〉 (新潮文庫)ふぉん・しいほるとの娘〈下〉 (新潮文庫)
(1993/03)
吉村 昭

商品詳細を見る


コメントを頂いた方々のお薦めで吉村昭の「ふぉん・しいほるとの娘」を読んでみた。
とにかく長かった。
上下巻だけど、普通の単行本四冊分ぐらいの分量があるのではないか、と思う。
吉村氏の傑作であると思う。
薦められた通り、確かに面白かった。

題名の「ふぉん・しいほると」とは、本名、フィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルトでドイツの医師・博物学者である。
江戸時代後期にオランダ商館医として来日し、鎖国下の日本において西洋医学の講義を行い、たくさんの有能な人材を育て、後に「シーボルト事件」を起こした人物として有名である。
「シーボルト事件」とは、シーボルトが当時、国外に持ち出すことを禁じられていた日本地図を持ちだそうとし(一部、持ち出した)、そのことが発覚して、それにかかわった人々が死刑を含む様々な刑に処せられた事件である。

そして、この本の主人公は、シーボルトの日本における妾であった、お滝、こと、源氏名、其扇と、そのシーボルトとの間にできた娘、お稲である。
上巻は、お滝が小説の中心となり、下巻は、お稲が小説の中心となる。
いつも思うのだが、吉村氏の作品は、題名が内容とずれていることが多いと感じる。
「ふぉん・しいほるとの娘」ではなくて、「ふぉん・しいほるとの妾と娘」にした方がよいのでは、と思った。

あらすじはというと、上巻が、先ほど言ったように、お滝の視点で、シーボルトが日本に来て、鳴滝塾という学校で西洋医学を日本の医学生たちに伝授し、お滝との間に娘をもうけ、シーボルト事件で追放されるところまでが書かれている。
で、下巻が、お稲の視点で、お稲が成長していき、シーボルトの教え子に師事し、西洋医学の産科医を目指すことになり、やがて産科医となり、活躍し、幕末を迎え、激動の時代の中を生きていく様が書かれている。

西欧人との混血児として生まれ、差別など様々な苦労をしながらも、基本的に前向きに幸せな一生を送った人なんではないかと思う。
実際にどうだったかは本人しか分からないけどね。

自分が以前読んだ小説で、司馬遼太郎の「花神」に、お稲さんが登場していたのを思い出した。

花神〈上〉 (新潮文庫)花神(上) (新潮文庫)
(1976/08)
司馬 遼太郎

商品詳細を見る
花神 (中) (新潮文庫)花神 (中) (新潮文庫)
(1976/08)
司馬 遼太郎

商品詳細を見る
花神 (下巻) (新潮文庫)花神 (下) (新潮文庫)
(1976/08)
司馬 遼太郎

商品詳細を見る


これも傑作である。
「花神」の主人公は、村田蔵六、後の大村益次郎である。
村田蔵六とは、蘭学者、医者であり、幕末には、長州藩の軍事を指導した人物である。
ちなみに、おれの尊敬する人物の一人である。

お稲さんは、途中、オランダ語習得のため、村田蔵六に師事したそうである。
「花神」では、お稲さんと村田蔵六の間でラブロマンスがあったように書かれているが、「ふぉん・しいほるとの娘」では、まったくそんなことは書かれていなく、村田蔵六に関する記述はごくあっさりしたものである。
大村益次郎(村田蔵六)を尊敬する俺としては、もうちょっと、そこらへんを詳しく書いてほしかったような気がする。
まあ、確かに、お稲さんと村田蔵六のラブロマンスなんて、きっとフィクションだったんだろうけど。。。。

ともあれ、白人と日本人の混血児が少なく、女医もまったくいなかった時代に、日本で初めての西洋医学の産科医であるお稲さんがどのように生きたかを多少なりとも知るには、よい本であると思う。
また、医者を目指す女性は、面白く読めるのではないかと思う一冊でもある。

自分の評価
★★★★☆80点
久しぶりの80点です。

関連記事
ももりの一期一絵
長崎もの語り散歩
e-徒然草

ポチっとお願いしますm(_ _)m
にほんブログ村 小説ブログへ
スポンサーサイト

コメント

お久しぶりです

お稲さんのことは、みなもと太郎の『風雲児たち』にも詳しく取り上げられていましたね
私生活でもかなり波瀾万丈の人生だったようですよ
  • 2010-07-24 00:20
  • URL
  • クロノクル #-
  • Edit

Re: タイトルなし

どうも、クロノクルさん

みなもと太郎の『風雲児たち』ですか。
機会があったら、読んでみます。
『ふぉん・しいほるとの娘』と『花神』でだいぶお稲さんの取り上げ方が違うと感じたんですが、『風雲児たち』でも違うんでしょうね。
小説だから、そういうものだと言われればそれまでですが。。。(汗)

また、クロノクルさんのブログに訪問させていただくと思うのでよろしくです。
  • 2010-07-24 11:24
  • URL
  • tatsunootoshigo #-
  • Edit

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

tatsunootoshigo

Author:tatsunootoshigo
関東育ちの三十路親父です。
今は、関東に住んでいます。
現在、日本百名城攻略中!!
座右の銘は、
「はやきこと風の如く、
 静かなること林の如し、
 攻めること火の如く、
 動かざること山の如し」。
よろしくです。
コメント、トラックバック、相互リンク、大歓迎です。

サイト内検索

日本百名城のインデックス

百名城インデックスへ

百名城以外のインデックス

百名城以外インデックス

博物館などのインデックス

博物館などのインデックス

タヌキおやじの足跡

タヌキおやじの足跡

※本ブログにおける訪問した場所の記事とグーグルマップを関連付けたホームページです。

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

月別アーカイブ

ランキング

ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 その他趣味ブログへ blogram投票ボタン

広告・宣伝

whiteheights-banner3.jpg

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。