タヌキおやじの日々の生活 大津透「日本の歴史06―道長と宮廷社会」     

大津透「日本の歴史06―道長と宮廷社会」


文化的には面白いが、血沸き肉躍る戦記物が好きな歴史マニアにはあまり面白くない平安時代中期。
藤原道長を代表とする藤原家が摂関政治というのをやって、平安貴族が短歌とかを読んで、源氏物語に代表されるような雅やかな貴族生活を満喫していたと思われている時期である。

目次
はじめに
第一章 道長の登場
第二章 一条朝の名臣と貴族社会
第三章 宮廷社会を支えたもの
第四章 王朝の文化
第五章 道長のあとに

しかし、平安貴族たちは、なにも遊興ばかりやっていたわけではないのである。
彼らは、しっかりと政治をしていたと。。。。
中央から国司が派遣されるという制度は、未だに続いていたが、律令制度はかなり形骸化していたと。。。
戸籍は作られないようになり、当然、班田収授の法は行われなくなった。
当然、農地は、在地地主のものとなり、これは、地方の有力者が力をつけて、武士として台頭することにつながったと思われる。
また、荘園というのができるのもこのころ。
律令国家の成立で、中央集権国家ができあがったが、それが崩れ、地方有力者の力が強い方にバランスが傾き始めたと。。。
だって、班田収授の法ってのは、何年か毎に、個人個人に田んぼを割り当てていく方法だけど、そんなことやるの面倒だし、ずっと続くとは思えないものね。
人間の性質からいって、個人の財産にして、それを増やしたりとか、モチベーションを上げてやる方が、理に適っているといえるであろう。
摂関政治というのは、藤原氏が娘を天皇に嫁がせて、男子を産ませてその子を次期天皇にして、自分は関白になって、その次期天皇をうまく操るという政治であると習ったが、著者は、縁組の方は必須ではないとする。
道長は、それを完全にやってのけたが、その息子の頼通は、30年以上、摂関政治をやったが、自分の孫を天皇にするというのには失敗していると。。。
ただ、その頃の記録が少ないので、実情ははっきりとはわからないとのことであった。
ただ、中央はかなり裕福であったらしい。
火事で何度も内裏が焼けても、地方からの税で何度も再建している。
しかし、治安は悪化していたと。。。。
軍事力に力を注がなくてよかったから、財政的には苦しくなかったということなんだろうか。
藤原純友と平将門の乱がおこったのが、この時期であり、次巻でこの記載があるらしい。
本巻であった騒乱らしい騒乱は、北九州への刀伊の襲来であった。
賊軍50隻が襲来して、北九州を荒らしまくって、民衆を殺したり、連れ去ったりしたと。。。
彼らを撃退したのは、藤原隆家以下、大宰府の軍事力であった。
次巻で説明される国衙軍というやつらしい。
勃興しつつある武士勢力を軍事力として使ったものらしい。
刀伊の正体は、ツングース系女真族であったとのこと。
元寇以外にも本土が攻撃されたことがあったわけである。
興味深い事実である。

自分の評価
★★★★☆75点

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日本の歴史06―道長と宮廷社会
日本の歴史07―武士の成長と院政

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