目次
第一章 金欠の旅立ち
第二章 幕末浪人ライフとは?
第三章 日本で最初の会社「亀山社中」とは?
第四章 薩長盟約、結婚生活、そして戦争
第五章 海援隊の収支決算
第六章 「日本を洗濯する資金」を調達せよ
第七章 龍馬を悩ませた家庭問題
第八章 死に際に金は持たず
龍馬の家計簿という題名だが、金銭的な内容は薄いと感じた。
しかし、通説で言われる龍馬が常に金に困っていたというのは本書で説明されるように事実であるようだ。
この人は、土佐の脱藩浪人であったので、金蔓が実家ぐらいしかなかった。
そのため、パトロンを薩長土に求めたわけである。
また、志士に好意的な商人というのもいて、彼らは志士に多額の資金を提供してくれた。
幕末の危機をなんとかしてほしいという願望があったようである。
面白いのは、龍馬の亀山社中は、第二次長州征伐の前に長州藩に武器斡旋を行い、判明しているだけで銃が9万2400両、ユニオン号3万7700両、合計13万100両、現在の貨幣価値にすれば60億円以上の取引をしたのだが、ほとんど報酬をもらわなかったとのことであった。意外なことである。
その当時は、「取引仲介してマージンを受け取る」というような仲介ビジネスはまだ一般的ではなかったそうな。
そのようなわけで亀山社中は第二次長州征伐の後に経営危機に陥るのである。
しかし、日本初の会社と呼ばれる亀山社中は、たびたび船を難破等の事故で失ったりして経営危機に陥るものの何とか切り抜けるのである。
龍馬の経営センスみたいなものはよくわからなかったものの、金の重要性については確実に理解していたようだ。
亀山社中は長崎に本拠を構えていたのだが、幕府と開戦となった場合には、長崎奉行所を襲って、そこに蓄えられていた金を確保しろと常々言っていたそうだ。
龍馬の死後だが、実際、幕府との戦いになったとき、海援隊(亀山社中の後身)の隊員は、言いつけ通りに行動して、長崎奉行所と談判して資金を確保している。
一方で、海援隊も龍馬の晩年には、ビジネスが軌道に乗りかけていたようである。
土佐藩に銃を売却したときには、長州藩のときの藩政からか、しっかりとマージンを取って利益を上げている。
また、丹後田辺藩との取引もあり、大商いであったようだ。
そして、仙台藩との取引も話だけはあったが、龍馬の暗殺と戊辰戦争の勃発で立ち消えになったようだ。
興味深いことに、薩摩藩も長州藩も幕府の戦争の際には、偽金作りに手を出している。
これは、龍馬のアドバイスがあったようだ。きれい事だけでないと。。。。
坂本龍馬をビジネス面で論じた作と云うことで、目新しいことは目新しいが少々中身が薄いと感じた。
自分の評価
★★☆☆☆45点
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