タヌキおやじの日々の生活 吉村昭「桜田門外ノ変」上下巻を読破!!     

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吉村昭「桜田門外ノ変」上下巻を読破!!

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上巻が先週土曜日の雨で濡れてボロボロになってしまった。
もう中古本として売れないな~(涙)

ともあれ、吉村昭の「桜田門外ノ変」上下巻を読み終えた。
吉村昭の最高傑作といっていいのではないかと思う。
といっても、まだ、吉村作品は、十数冊しか読んでないが。。。。(苦笑)

題名ともなった桜田門外の変とは、安政7年3月3日(1860年3月24日)、江戸城桜田門外(東京都千代田区)にて水戸藩、薩摩藩の脱藩浪士が彦根藩の行列を襲撃して大老の井伊直弼を暗殺した事件である。
まさに、日本の歴史を動かした大事件であった。

吾輩は、忠臣蔵も含めて、あんまり暗殺事件とかは好きではないのだが、この本を読んで、桜田門外の変とは、単に井伊直弼を暗殺するというだけではなくて、えらい手の込んだものであったのだなあと感心した。
ちなみに、本小説は、襲撃の実行部隊の指揮者である関 鉄之介(せき てつのすけ)を主人公として書いている。
司馬遼太郎であるならば、比較的、有名な人物(例えば、徳川斉昭)を主人公にして小説を書くところだが、あまり名前を知られていない関鉄之助を主人公にしたところが、いかにも吉村昭らしい。
同じく、吉村昭著の「生麦事件」「天狗争乱」を共に読めば、吉村氏がどのように幕末をとらえているかの一端を知ることができると思う。

参考(過去の記事)
吉村昭「生麦事件」を読破!!
吉村昭「天狗争乱」を読破!!

吉村氏は、小説中で、「水戸藩で勃興した尊王攘夷の政治思想は、長州藩や薩摩藩などの外様雄藩に根をおろし、それらの藩は、外国勢力に果敢な武力抵抗をこころみ、その結果、外国の軍事力が容易に対抗できぬ強大なものであることを認識し、攘夷論は現実と遠く遊離しているのを知った。そして、朝廷を尊崇することによって人心の統一をはかり幕府の政治力を強化して外圧に対抗することを目的とした、水戸学における尊王攘夷論が、一変して、尊王討幕論となった。」との意味のことを書いている。
そして、その著しい変化は、桜田門外の変をきっかけに加速したと書いている。
自分が推測するに、吉村氏は、尊王の志士たちが外国の軍事力を知り、攘夷論が現実と遊離していることをしったという点で生麦事件がターニングポイントの一つとなったのと同様に、桜田門外の変が尊王攘夷運動を加速させる点で重要なターニングポイントの一つとなったと考えているようだ。

他にも、いろいろ注目すべき点があったなあと思う。
水戸藩における門閥派と改革派の争いや、徳川斉昭による改革や、改革における農兵隊の創設や、桜田門外の変において短銃が使用されたことである。

門閥派と改革派の争いについては、後に起こった「天狗党の乱」でも続いている。
幕末におけるどの藩でも起きているが、保守派と革新派の争いである。

徳川斉昭という人物については、いろいろな本で出てくるものの具体的なことについては、書かれてなかったので興味深かった。
この人のやろうとしたことは、要するに富国強兵・殖産興業である。
明治政府のやった施策の方向性と同じであるというのは、自然の流れなのであろうか。

農兵隊を創設したのは、長州藩の高杉晋作の奇兵隊より早かったのではないであろうか。
高杉晋作は、水戸藩の農兵隊を手本に奇兵隊を創設したのかもしれないなあと思った。

桜田門外の変において短銃が使用されたことは、初めて知った。
しかし、襲撃始めの合図として井伊直弼の乗る駕籠に撃ち込んだだけで、あとは有効に使用されなかったようだ。
やはり、飛び道具を使うのは卑怯だという意識があったのであろうか。
そうだとしたら、極めて日本人らしいなあ。
関鉄之助は、事件後、潜伏中、捕縛されるまで短銃を所持していたようである。

ともあれ、この本は、幕末に興味のある人なら、面白く読める本だと思う。

自分の評価
★★★★☆90点

関連記事
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肩の力を抜いて
梟通信~ホンの戯言
アレクサンドリア図書館

参考
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※映画化もされた。

追記

今日で、ブログを始めて、3年目に突入しました。
あまり、更新ができてないので、今のところ、記事の数も152しかなく、アクセス数も一日、だいたい20~30位しかないけど、細く長く続けていこうかと思います。
ヨロシクデス。

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コメント

3年目おめでとうございます

十数冊も読んだのなら、作家を語るのに充分だと思いますよ
自分は読んだ端から、言っております(笑)
  • 2010-10-17 00:44
  • URL
  • クロノクル #-
  • Edit

こんにちは

どうも、クロノクルさん。
ありがとうございます。

> 十数冊も読んだのなら、作家を語るのに充分だと思いますよ
そういって頂けると助かります。
しょぼい感想文しか書けないので、クロノクルさんのブログなどを参考にさせて頂いている次第です。

また、訪問させて頂くのでよろしくお願いしますm(_ _)m
  • 2010-10-17 09:00
  • URL
  • tatsunoootoshigo #-
  • Edit

★ こんばんわ

関連記事として取り上げていただき、またTBをいただきありがとうございました。
桜田門外の変。幕末の大きなうねりの中で大きな影響を与えた事件だったのですね。多くの事件が絡み合って時代が変わっていくのをいろいろな小説を読んで再現できるのは楽しいですね。
今後ともよろしくお願いします。
  • 2010-10-19 22:57
  • URL
  • やまけん(肩の力を抜いて) #-
  • Edit

管理人様、はじめまして。ご挨拶が遅れましてすみません
TB、そして関連記事として紹介していただきありがとうございます。
私の稚拙な感想を丁寧に読んでいただき恐縮しきりです。

 吉村氏の原作を読んで、関連する書物なども読むほど興味を惹かれる内容で自分なりにいろんなことを考えられる題材でした。
貴ブログの感想をよませていただき、また再読したいと思いました。 ありがとうございました!
  • 2010-10-20 05:57
  • URL
  • mahito #k8hoI9U.
  • Edit

やまけんさま

コメントありがとうございますm(_ _)m
桜田門外の変。
吉村作品を読むまでは、それほどの事件だとは思ってなかったのですが、読んで歴史に大きな影響を与えた事件だったのだなあと認識した次第です(恐縮)。
幕末は、多くの事件が絡み合っているので、頭がごちゃごちゃになりそうですが、それを整理しながら読むのも歴史を楽しむ一つの方法ですね。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。

mahitoさま

コメントありがとうございますm(_ _)m
mahitoさま(?)の「桜田門外ノ変」の映画版の記事、面白かったです。
自分も映画版を観てつっこんでみたくなりました(笑)。
映画に加えて、歴史群像に歴史街道も読まれたんですね。
歴史群像は、昔は、毎回チェックしてたんですが、最近は、しておらず、久しぶりに見てみようかなという気になりました。
今後ともよろしくお願いします。
  • 2010-10-20 21:28
  • URL
  • tatsunootoshigo #-
  • Edit

久しぶりにトラックバックさせてもらいました

吉村昭作品は幾つか持っていて、tatsunootoshigoを追いかける感じになりそうです
とても追いつけそうにないですが(笑)
幕末物ぐらいは、読んでおきたいですねえ
  • 2011-06-01 22:12
  • URL
  • クロノクル=ローマの人 #-
  • Edit

Re: タイトルなし

こんばんは、クロノクルさん。

「桜田門外ノ変」読まれましたか。
吉村作品のいいところは、司馬遼太郎とかがあまり書かない地味~なところも綿密に調査して客観的に書いてあることだと思います。
「桜田門外ノ変」を読まれたのなら、「天狗争乱」もぜひお薦めですよ~。
「桜田門外ノ変」は映画化もされてて、自分はまだ見てないんだけど、傑作という話ですよ。
  • 2011-06-01 23:35
  • URL
  • tatsunootoshigo #-
  • Edit

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『桜田門外ノ変』 吉村昭

今月もしばらくは幕末モードで 桜田門外ノ変〈上〉 (新潮文庫)(1995/03)吉村 昭商品詳細を見る 幕末の転機となった桜田門外の変の顛末を、水戸藩士・関鉄之助らの視点から描く歴史小説 上巻では、変の...
  • 2011-06-01 22:04
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関東育ちの三十路親父です。
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