タヌキおやじの日々の生活 磯田道史『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』を読破!!     

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磯田道史『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』を読破!!

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
(2003/04/10)
磯田 道史

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資格試験の学校の飲み会の帰りの電車の中で酔っ払いながら読み終えた。
なかなか面白い一冊であった。
これも映画化されるらしい。
主演が、堺雅人と仲間由紀恵で、監督が森田芳光だそうだ。
本書は、小説ではなくて、古文書から加賀藩のある武士の家系がどのように幕末、明治維新を生きたかを読み解いたものなので、映画でどのように表現されるかは監督によるところが大きいであろう。
楽しみである。

ともあれ、本書の話に戻ると、著者の磯田氏は、「金沢藩士猪山家文書」という文書を発見する。
この文書は、江戸時代から明治維新にかけての武士の家計簿であった。
江戸時代の武家の完全な家計簿が残っていることは非常に稀であるそうだ。
そういう意味で、この文書は、非常に貴重であるとのこと。
しかも、この文書は、非常に詳細な家計簿となっている。
饅頭一つ買っても記録した帳面が36年分も残っているそうだ。
なぜかというと、猪山家は、加賀藩の「御算用者(ごさんようもの)」の家系であったからだ。
御算用者とは、藩の算盤係であり、つまり、会計処理の専門家だということである。
経理のプロがつけた家計簿だからこんなにも詳細であったらしい。
まさに加賀百万石のテクノクラートが己の技量を使って記した家計簿といっていいだろう。

猪山家は、猪山清左衛門という人から始まっているらしい。
この人が亡くなったのが、1605年であるから、藩祖利家の時代から侍をしていたらしい。
しかし、当時、猪山家は、前田家の直参ではなくて、陪臣であった。
そして、100年ほどは、陪臣として加賀藩士に仕えるも、1731年に、後に猪山家を栄達させていくことになる筆算の才能、つまり、筆とソロバンの才能をもって、御算用者として前田家の直参となる。

七代、信之の時代になり、猪山信之は、御算用者として江戸詰を命ぜられる。
その時代、江戸詰は、藩士にとって費用のかかるものであったらしい。
そこで、藩も俸禄を加増してくれたらしい。
信之は、江戸詰で藩主と将軍の姫君と婚礼における功績を認められ、知行地を与えられる。
猪山家は、七十石の知行取りとなるのである。

ここで、面白いのは、江戸時代の武士は、知行地を持ってても、ほとんど知行地とは関係がなく、知行地の行政は藩が行っているということである。

八代、直之の時代となり、猪山家の財政は、諸々の事情で負債の山となる。
そこで、借金整理のため、所持財産を売却したり、質素倹約を行ったりする。
このような中でも、冠婚葬祭のための費用や交際のための費用や教育のための費用は削らなかったらしい。
江戸時代の武家社会において、武士身分としての格式を保つために支出を強いられる費用は、一見無駄のようであるが、この費用を支出しないと、武家社会から確実にはじき出されるため、削れなかったらしい。
現代の人間の目からみると、非常に無駄に思えるが、当時としてはやむを得なかったのであろう。

九代、成之の時代になり、猪山家は幕末・明治維新を迎える。
成之は、やはり筆とソロバンの才能を持って、大村益次郎に見出され、新政府に出仕することになる。
やがて、成之や息子たちは海軍に入るようになる。

一通り読んで感じたことは、芸は身を助けるということである。
幕末・明治維新と生き残っていくには、洋学の知識やソロバンの才能を持ってることが必要であった訳である。
血沸き肉躍る場面はないが、歴史好きの人間には面白く読める一冊であると思う。
特に、現在のような時代の変わり目に生きている我々に何らかの教訓を与えてくれる一冊であると思う。

自分の評価
★★★★☆70点

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参考
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堺雅人、仲間由紀恵 他

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