タヌキおやじの日々の生活 司馬遼太郎「韃靼疾風録」上下巻を読破!!     

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司馬遼太郎「韃靼疾風録」上下巻を読破!!

今日の東京は、昼間、雨が降った後、陽が射したらと思ったら、また、雨が降り始め、夕方は異常に寒かった。
咽喉が痛くて、鼻水が出てくる。
風邪をひいたようだ。

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韃靼疾風録〈下〉 (中公文庫)韃靼疾風録〈下〉 (中公文庫)
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帰りの電車を待つ時に読み終えた。
「韃靼疾風録」上下巻、長かった。
司馬遼太郎、最後の長編小説らしい。
「韃靼(だったん)」とは、タタールとも呼ばれ、北アジアのモンゴル高原から東ヨーロッパのリトアニアにかけての幅広い地域にかけて活動したモンゴル系、テュルク系、ツングース系の様々な民族を指す語として様々な人々によって用いられてきた民族名称であるそうな。
主に清国の勃興期を舞台とした小説である。
清国が勃興するにあたっては、日本が大きな役割を果たしている。
清王朝の前の王朝である明は、豊臣秀吉の朝鮮出兵で大きく疲弊した結果、国内では李自成が反乱をおこし、長城の北では清王朝を興すことになる女真族が勢力を拡大したからである。
ちなみに、この小説では関係がないが、清王朝の滅亡にも日本は大きく係わっていて、その原因が日清戦争や義和団事件であることは言うまでもないであろう。
また、清王朝の末裔の愛新覚羅 溥儀(あいしんかくら ふぎ)を祭り上げて、満州国を建国したことでも係わりがある。

そのえらく日本と関係することになる女真族とは、満州に居住していた民族で、主に狩猟採集・牧畜・農耕・漁労に従事し、中国との間で朝鮮人参・毛皮を貿易していた。
江戸時代初期で60万人くらいしかいなかったそうである。
そのぐらいの人口の民族が、なぜ中国を征服できたかというと、戦いで降伏した蒙古民族(モンゴル人)、漢民族を勢力下におき、自軍の兵又は民としたこと、
軍制が優れていたこと、
優れた指導者が続いたこと、
などが挙げられると思う。

司馬遼太郎は、その女真族が、満州で勢力を拡大し、長城を越えて南下し、中国で清王朝を開くまでを書いている。
ともあれ、あらすじはというと、なぜか九州平戸島に女真族の高貴の娘アビアが漂着し、平戸武士、桂庄助は、女真族との交易を開くこと、中国の情勢を見極めることを目的として、アビアを満州の地へ送り届けるという主命を受ける。
時は、江戸時代初期であり、豊臣秀吉の朝鮮出兵後の満州は、明王朝と女真族との戦いが続いていた。
桂庄助とアビアの前途には何が待ちかまえているのか、という感じです。

明軍と女真軍との戦いは、会戦をすると、女真軍の騎兵が強くて明軍が負けるので、ひたすら、明軍は、城塞に籠って、大砲と火縄銃で応戦するという感じであった。
女真軍の騎兵の強さは、その軍制である八旗にあったらしい。
その軍制の最小単位は、「ニル」と呼ばれる組織で、近代陸軍の中隊に相当し、人数は300人がほぼ標準だったそうだ。
そして、ニルの長は、ニル・エジェンと呼ばれた。
エジェンの下には、二人の補佐者がいて、エジェンが戦死すれば、どちらかが指揮を執った。
このようなニルを五個集めて、「ジャラン」という戦闘単位が出来上がり、近代陸軍の大隊に相当した。

このジャランの中のニルの構成が非常にうまく出来ているのである。
重騎兵のニルと、軽騎兵のニルと、とびきり武勇のあるもので編成されている予備隊としてのニルがあり、重騎兵のニルが、先陣を駈けて敵の前線を崩し、騎射専門の軽騎兵のニルが重騎兵に膚接するようにして助け、ジャランの長が、ここぞというときに予備隊のニルを投入するという戦法を取ったらしい。

八旗には、女真族による八旗満州と、漢人による八旗漢軍と、蒙古人による八旗蒙古が編成されている。

思えば、司馬遼太郎の作品は、日本の歴史を舞台にしたものがほとんどであったような気がするが、この小説が書かれた頃になると、日本の歴史を舞台にしたものは書き尽していたのではないかと思う。
それと、司馬遼太郎が戦中に満州で戦車小隊の小隊長をやっていたことが、この小説を書くモチベーションになったのかなあと思った。

この小説を読んで思い出したのが、井上靖の「敦煌」であった。

敦煌 (新潮文庫)敦煌 (新潮文庫)
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井上 靖

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「敦煌」は、清の時代よりもずっと前で西夏という国の勃興を書いた小説だったような気がするけど、これは、吾輩が読んだ歴史小説で一番面白かった。

ともあれ、「韃靼疾風録」、中国の歴史に詳しくない人には、少し難しいかもしれないけど、スケールの大きな浪漫を感じさせてくれる一冊です。

自分の評価
★★★★☆80点

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コメント

トラックバックを送らせてもらいました

司馬遼太郎は中国を書かせても、『項羽と劉邦』とか面白いんですよ
せんのないことですが、司馬版三国志とか、面白かったでしょうね
  • 2013-10-10 21:39
  • URL
  • 読み斬り以蔵 #-
  • Edit

Re: タイトルなし

> 司馬遼太郎は中国を書かせても、『項羽と劉邦』とか面白いんですよ
わたしも、「項羽と劉邦」は、このブログを始めるだいぶ前に読みましたよ~
確かに面白かったです。
出来としては、「項羽と劉邦」の方が、「韃靼疾風録」より上だったと思います。
それでも、「韃靼疾風録」もかなり面白かったです。
  • 2013-10-10 22:28
  • URL
  • tatsunootoshigo #-
  • Edit

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  • 2013-10-10 21:33
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