タヌキおやじの日々の生活 ユージン・B・スレッジ著、伊藤真/曽田和子訳「ペリリュー・沖縄戦記」を読破!!     

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ユージン・B・スレッジ著、伊藤真/曽田和子訳「ペリリュー・沖縄戦記」を読破!!

あ~、暑い。
でも、去年と較べたらだいぶ涼しいな。
この電力不足の折、去年並の猛暑だったら危なかったところだ。


ペリリュー・沖縄戦記 (講談社学術文庫)ペリリュー・沖縄戦記 (講談社学術文庫)
(2008/08/07)
ユージン・スレッジ

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最近、戦争物ばかり読んでるなと思いながら、元米軍兵士が書いた太平洋戦争ということで購入してみる。
これがなかなか中身の濃い一冊であった。
著者のユージン・B・スレッジ(以下、著者)は、太平洋戦争のペリリュー島攻略戦と沖縄攻略戦を第一海兵師団の一兵士として戦い、戦後は、生物学の学者となった人物である。
インテリ一家に生まれ、育てられたためか、文章には、深い知性と客観性が感じられる。
戦争の苛烈さは、もとより、日本軍の残虐行為、アメリカ軍の残虐行為についても書かれている。
ペリリュー島にしても沖縄にしても日本軍が徹底した陣地化を施してアメリカ軍に大量の出血を強要した戦いであった。

内容はというと、スレッジが、海兵隊に入隊して、過酷な訓練を受けて海兵隊兵士となり、ペリリュー島攻略戦と沖縄攻略戦を戦い終えるまでを書いている。

まず、新兵訓練(ブートキャンプ)の場面を読んでいて思ったのは、多くのアメリカ軍兵士は、自分たちの訓練を肯定的に捉えているということである。
山本七平の「私の中の日本軍」などを読むと、日本軍の訓練の不合理性について批判する箇所が数多くあった。
他の日本兵の著作を読んでも、訓練が辛かったという記述はあっても訓練が役立ったと肯定的に捉えている記述は少ないように感じるのだ。
この違いはなぜなのか考察してみるに、詰まるところは、文化の違いであるのかもしれない。
人の短所を減らすことによって、平均的な全体の力を向上させようとする日本の教育文化に対して、人の長所を伸ばすことによって、個々の力を向上させようとするアメリカの教育文化の違いのためかもしれない。
また、アメリカ軍の訓練の方が合理的であった可能性もある。
吾輩が思うに、どうも日本人の教育制度や政治制度や行政制度などは、動物行動学に則ってないような気がするのである。
人間も動物の一種である以上、自然の摂理に則って制度設計や教育を行った方が長続きするし、上手くいくと思うのである。

しかし、著者は、日本軍を非常に手強い相手であったと評価している。
現在の日本人は、ともすれば、戦争を知らないか、かつての日本軍を過小評価しがちだ。
戦争を戦った日本軍兵士でさえ、自分たちの力を低く評価しているような気がする。
しかし、この小説を読む限り、日本軍が米軍を恐れていたように米軍も日本軍を恐れていたことがわかる。
かつての日本人に対して正当な評価を下しているのは、戦った相手であるアメリカ人のみであるのかもしれない。
そのような傾向となるのは、日本人のどっちか片一方に偏ってしまう国民性に原因があるのではないかと推測する。
どうしても、日本民族は、日本列島という閉鎖的な環境の島国にずっと暮らしていたため、他民族との交流が少なく、バランス性に欠けてしまうような気がする。

最後に印象に残ったのは、両軍による残虐行為である。
著者は、仲間の日本兵に対する残虐行為の数々について記述している。
そして、自分の日本兵に対する同情が徐々になくなっていく様子を書いている。
日本兵の残虐行為に関する記述は、一か所あっただけであった。
しかし、その残虐行為はアメリカ軍の残虐行為を遙かに超えるものであり、そのことをきっかけにして全く日本兵に対して同情を感じなくなったと書いている。
おそらく吾輩が思うに、一般に、日本兵による残虐行為は、アメリカ軍によるものより激しかったであろうと推測する。
あくまで推測であるが、原因として日本軍には「生きて虜囚の辱めを受けず」という教えがあったことから、当然にアメリカ軍捕虜などに対する配慮があったように思えないことがある。
あと、アメリカ軍が戦った兵士にある程度、休養を与えて、ローテーションを組んで戦ったのに対し、日本軍は、兵士に死ぬまで戦わせたこと、そうせざるを得なかった、若しくは、そうしたことによって、精神的な荒廃が激しく、戦う相手に対する配慮などは持ち得なかったことがある。

ともあれ、戦争の最前線における兵士が何を経験し、何を感じたのかを知るために、日米の文化の違いを知るために、最適な書の一つであると思う。

自分の評価
★★★★☆75点

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