タヌキおやじの日々の生活 塩野七生「十字軍物語2」を読破!!     

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塩野七生「十字軍物語2」を読破!!

ただ今、CIA関連の上下巻ある本を読んでて、なかなか読み進まないのだが、片手間に十字軍物語の二巻を読み始めたら、あっという間に読み終わってしまった。

十字軍物語2十字軍物語2
(2011/03/24)
塩野七生

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1巻がなかなか面白かったので、読み終わるや即座に購入する。
2巻では、第一次十字軍により打ち建てられた十字軍国家がイスラム勢力に対して防衛に回るようになり、次第に劣勢になっていく様子が書かれている。
具体的には、1096~1099年の第一次十字軍の後、しばらくの間、十字軍国家のキリスト教徒と、群小の都市からなるイスラム教徒が共存する状態が続いていた。
しかし、イスラム勢力にゼンギという有能なリーダーが現れ、イスラム勢力が盛り返し、エデッサ伯国を占領してしまう。
1147~1148年には、そのことで、ヨーロッパで危機感が募り、第二次十字軍が結成される。
フランス王ルイ7世と神聖ローマ皇帝コンラート3世の2人を指導者とするが、大きな戦果を挙げることなくゼンギの息子のヌルディンに敗北する。
その後、1187年に、イスラム勢力を統一したサラディンにより、およそ90年ぶりにエルサレムがイスラム側に占領、奪還される。

本書では、大した働きをしなかった第二次十字軍より、十字軍と十字軍の間を十字軍国家の人々がどのようにイスラム勢力の攻勢を耐え凌ごうとしたかを書いている。
特に興味深いのは、イスラム人とヨーロッパ人の交流と宗教騎士団の出現の記述である。
イスラム人とヨーロッパ人(本書ではフランク人)との間で交友関係を結ぶこともあったようで、戦争ばかりに明け暮れていたと思っている吾輩からは面白く読めた。
本当に狂信的で原理主義的であったのは、現場、中東にいる人々ではなく、ヨーロッパで現実を知らずに、異教徒を殺せと叫んでいる宗教人だったのかもしれない。
また、もう一つは、二つの宗教騎士団、テンプル騎士団、聖ヨハネ騎士団のことである。
宗教団体が軍事力を持った例を日本で挙げると、織田信長に頑強に抵抗した本願寺などがあると思うが、内容的にはかなり異なっているようである。
ナナミンは、宗教騎士団を中世の特殊部隊と言っている。
修道僧が騎士になったという。
だから、多数の信者を戦力にした本願寺とは本質的に異なるわけである。
両騎士団の資産活用についても述べられていて面白い。
聖ヨハネ騎士団の十字軍後については、ナナミンは、「ロードス島攻防記」で書いているので参考にされたい。

ロードス島攻防記 (新潮文庫)ロードス島攻防記 (新潮文庫)
(1991/05)
塩野 七生

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やはり、1巻と同じように残虐行為などについてはあまり触れられていないが、きっと普通にあったのであろうと推測する。
時折ある十字軍側とイスラム側の騎士道精神的な行為について書かれてあって、なかなか感動を誘った。

十字軍が失敗に終わるのは必然であったと思うが、その理由を挙げてみると、
1.多数の城塞群がネットワークとして機能させなかったこと。
ローマ帝国のリメスのようなシステムではなかった。
2.イスラム勢力と十字軍側の人口格差があったこと。
常に十字軍側は兵力不足だった。これを解決するには、ヨーロッパから移民をするぐらいしないと解決しなかったのではないかと思う。
3.イスラム勢力が一つのリーダーのもとに統一されていったのに対し、十字軍側は、諸侯の集まりで完全には統一されていなかったこと、があると思う。
中東の人々は、ローマ帝国後期まではギリシャ神話の神々を信じ、ローマ帝国後期からはキリスト教に改宗し、マホメットが現れる7世紀からはイスラム教に改宗したわけである。
なぜ、イスラム教がこれほどまでに急速に勢力を伸ばしたのかは、日本人の吾輩に分からないのである。
キリスト教の聖地がイェルサレムなのだから、聖地を中心にキリスト教が栄えそうなものである。
このことは、「ローマ亡き後の地中海世界」を読んでも思ったことである。
ビザンチン帝国の支配に不満があったからであろうか。
大学の歴史の先生に聞いてみたいものである。

それと、現代の中東の状況を考えると、今のイェルサレムは、イスラエルが支配しているわけである。
イスラエルは、ほぼ昔のイェルサレム王国の版図と同じ領土を有していると昔、聞いたのだが、おそらく、イェルサレムを保持するための最小の領土がイェルサレム王国の領土なのであろうと思う。
しかし、イェルサレムは、キリスト教勢力下に90年しか置かれなかった。
そして、十字軍国家は200年くらい存続したのであろうか。
イスラエルは、現在、軍事力・テクノロジー・経済力などで周辺イスラム諸国を圧倒しているが、それが何百年も続き得るのかと、この本を読んで疑問に思ったのである。

ともあれ、三巻が楽しみです。

自分の評価
★★★☆☆75点

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塩野七生「十字軍物語2」を読破!!
塩野七生「十字軍物語3」を読破!!

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コメント

イスラムのことは良く知らないのですが、奉じる神はキリスト教と同じですから乗り替えやすかったんじゃないですかねえ(いい加減

CIA関連の上下本って、『CIA秘録』ですか?
感想、待ってますよ
  • 2011-09-10 23:43
  • URL
  • クロノクル=ローマの人 #-
  • Edit

Re: タイトルなし

どうも、クロノクルさん。

> イスラムのことは良く知らないのですが、奉じる神はキリスト教と同じですから乗り替えやすかったんじゃないですかねえ(いい加減
キリスト教が広まっていく様子は、ローマ人の物語を読んでだいたい分かったような気がするんですよ。
でも、今の宗教対立を見ると、宗教を乗り換えるのって相当、本人たちにとっては抵抗があることだと思うんですよ。
まあ、無宗教の日本人からすると、実感としては沸かないですが。。。

> CIA関連の上下本って、『CIA秘録』ですか?
そうです(笑)。よく、分かりましたね。
> 感想、待ってますよ
いや~、クロノクルさんの期待に応えられるような感想を書けるか心苦しいです。
  • 2011-09-10 23:58
  • URL
  • tatsunootoshigo #-
  • Edit

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