タヌキおやじの日々の生活 吉村昭「総員起シ」を読破!!     

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吉村昭「総員起シ」を読破!!

野田首相がTPP交渉参加方針を表明したそうな。
まあ、内容がよく分かっていないから山のものとも海のものとも判別が付かないが、党を割らせずに、スタートラインに立ったのは評価できるのかなあと思う。
交渉次第で、国益にとって不利にも有利にもなる感じだ。
農業にとっては、不利であることが否めないだろう。
思うに、ウルグアイラウンドの昔から日本の農業はほとんど変わっていないのではと思う。
大規模化だけでは不十分で、農業の株式会社化を図ったり、研究機関、大学と連携して技術的に優位に立つようにしたり、付加価値の高い農作物に特化するようにしないと駄目だろうと思う。

総員起シ (文春文庫 よ 1-6)総員起シ (文春文庫 よ 1-6)
(1980/12)
吉村 昭

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久しぶりの吉村昭作品である。
吾輩、どうも短編集というのは苦手なのである。
そういうわけで、吉村昭の短編集を読むのは躊躇していたのだが、本屋で手に取ってみると面白そうであったので購入してみる。
太平洋戦争にまつわる事件を題材にした短編五編からなる。

一編目は、「海の柩」。
戦中、北海道の海辺の村落に、多数の兵隊の水死体が流れ着いた。
奇妙なことに、多くの水死体は、手首や腕が鋭利な物によって断ち切られたように失われていた。
読み進めていくにつれてその原因が分かる。
修羅場ともなると、卑怯な振る舞いをする人間が当然現れるのだが、日本軍の士官にいかに人がいなかったのかが分かる短編となっている。

二編目は、「手首の記憶」。
多くの日本人は、ポツダム宣言を受け入れた時に戦争は終わったと考えているが、千島列島や樺太では、8月15日より戦闘が本格的に展開された。
終戦後に樺太で起こった看護婦集団自決事件に焦点を当てている。
負傷などで偶然、玉砕した戦場から生き残って、生き残ったことに罪悪感を感じている軍人、民間人については、よくNHKのドキュメンタリーなどで目にしたが、兵隊を特攻隊や死地に送り込んだ高級軍人が戦後、厚顔無恥にも参議院議員などになっているのをみると、世の中の不条理を感じる。
人々をそのような状況に追い込んだ人間こそ責めを負うべきであろう。

三編目は、「烏の浜」。
終戦直後に、北方で潜水艦に撃沈された「小笠原丸」を題材にした話である。
結局、潜水艦の所属は分からず、ソ連の潜水艦ではないかと著者は述べている。
北海道より北では、終戦日に終戦した訳ではなかったことが分かる。

四編目は、「剃刀」。
今度は、沖縄戦に焦点を合わせた作品。
沖縄の日本軍司令部の散髪要員がみた牛島司令官を含む司令部の最後。
ここでも、日本軍の高級軍人のだらしなさみたいものが書かれている。
現在の政治でもそうだけど、日本の頭脳というのは、トップにあるのではなく、ボトムにあるのではないかと。
福島の原発の処理を見ていても思う。

五編目は、表題作の「総員起シ」。
伊号第33潜水艦という日本海軍の潜水艦を題材にした作品。
イ33は、3に纏わる事故が多発したことで知られるそうな。
一度目の事故で、トラック島で着底し、引き上げられ、二度目の事故で、訓練中に瀬戸内海に沈み、多数の犠牲者を出す。
そして、戦後に引き上げられるのだが、イ33内の一部の居住区にはまだ空気が残っており、乗組員の最後の様子がそのまま残っていた。
このことについて詳細に書いている。
表題作だけあって、これが一番面白かった。
震災において、日本市民の冷静さが世界で話題になったが、その萌芽を見ることができる。
この短編では、一編目、四編目と違って、日本軍将兵の冷静さ、沈着さ、長所が書かれている。

大きな作戦について書かれたものではないので、確かに地味だが、戦争というものの一側面を正確に書いている一著である。
戦争を知るための良著である。

自分の評価
★★★★☆75点

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