タヌキおやじの日々の生活 渡辺洋二「彗星夜襲隊―特攻拒否の異色集団」を読破!!     

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

渡辺洋二「彗星夜襲隊―特攻拒否の異色集団」を読破!!

今日は、巷ではクリスマスイブなる日である。
吾輩はというと、実家に帰って父上、母上とケーキでも食おうかと。
うぅ、寒さが身に堪える~(涙)
敢えて、この日にブログ更新。

彗星夜襲隊―特攻拒否の異色集団 (光人社NF文庫)彗星夜襲隊―特攻拒否の異色集団 (光人社NF文庫)
(2008/02)
渡辺 洋二

商品詳細を見る


再読である。
太平洋戦争末期に、日本軍の航空部隊のほとんどが特攻攻撃をする中、特攻を拒否し夜襲戦法によって戦い続けた部隊である芙蓉部隊に焦点をあてた作品である。
ウィキペディアの「芙蓉部隊」の頁の冒頭には、
『芙蓉部隊(ふようぶたい)とは太平洋戦争末期における、日本海軍第131航空隊所属の3個飛行隊(戦闘804飛行隊、戦闘812飛行隊、戦闘901飛行隊)の通称。
131空の指揮を離れ、131空飛行長である美濃部正少佐(最終階級)の下で独立運用された。
特攻が主体となっていた当時の海軍航空隊にあって、独自の夜襲戦法を用い活躍した。』
とある。
本書に、司令部参謀が行った研究会において練習機を用いてまでの特攻を推進させようとする中、美濃部少佐が特攻を拒否する場面があるのだが、組織内部の融和を最優先し、組織内の空気を重んじる日本の組織において、特攻を拒否することが勇気と度胸と胆力のいることであることは想像に難くない。
著者は、特攻を推進しながら、自らは危険を冒そうとせず、責任を取らなかった参謀や指揮官たちを痛烈に批判している。
しかし、美濃部少佐が特攻を否定していたわけではなく、戦後、
『戦後よく特攻戦法を批判する人があります。
それは戦いの勝ち負けを度外視した、戦後の迎合的理念に過ぎません。
私は不可能を可能とすべき代案なきかぎり、特攻もまたやむをえず、と今でも考えています。
戦いのきびしさは、ヒューマニズムで批判できるほど生易しいものではありません。』
と述べている。
実際に、戦争最終局面に直面し、米軍による本土侵攻が近づいて、特攻以外の策がなくなりつつある情勢においては、特攻作戦の図上演習を行っている。
その特攻作戦の陣頭指揮には、美濃部少佐が立つというものであった。

要するに半ばやけくそになって片っ端から特攻攻撃をかけるのではなく、知恵を絞って勝てる策を建てて戦争に臨むという考えが美濃部少佐の思想であるらしい。
3月の地震で福島原発事故が起こったとき、時の首相、菅直人氏は、ほとんど思考停止の状態にあったのではないかと推測するが、なかなか極限状態において論理的思考ができるものではないのであろうと思う。
戦時中に航空機製造会社に勤めていた吾輩のじーさまが米軍の戦闘機に機銃掃射された時の話を聞いたことがあったのだが、
『バリバリバリという物凄い音がするんでよ。
○○(吾輩の名前)なんて腰を抜かしてまうでよ。』
と言っていた。
おそらく、吾輩、そういう目にあったら思考停止して何もできないであろうと思う。
でも、トップに立つ人がそれでは困るのである。
トップに立つ人が無能であると、一人の犯罪者が犯罪を犯して人を殺すよりたくさんの人を殺す結果となるのだから。

ともあれ、マネジメントを行うに当たって現在の社会においても参考になる内容になっている。
芙蓉部隊が特攻以外の戦法で戦闘を継続し得た理由・工夫として大まかなものとして次があげられるであろう。
1.夜襲に特化した部隊を作り上げた。
2.座学を重視したり、徐々に難易度を上げていく訓練手法を取ったり、教育制度に工夫を凝らした。
3.藤枝に後方基地と鹿屋その後は岩川に前線基地と設定し、後方基地で訓練と疲労した隊員の休養をさせ、戦力が整い次第、前線基地に戦力を送り続ける体制を取った。
4.飛行機の整備体制を工夫し、例えば、航空機会社に整備担当者を講習に行かせたりし、他の部隊では50パーセントぐらいの稼働率であったのを80~90パーセントの稼働率として戦力を確保した。
5.搭乗員を攻撃させるに当たって、いきなり作戦に投入するのではなくて、哨戒行動などで習熟させてから作戦に参加させた。
6.基地で待機する航空機が敵襲によって破壊されないように徹底した掩蔽を行ったり、銃撃されても炎上しないように航空機からガソリンを抜くことを徹底させた。
7.岩川基地においては、基地自体の掩蔽を徹底した。

思いついても具現化することは難しいであろう。
しかし、実際に具現化してこれだけのことをやって戦い抜いた美濃部少佐と芙蓉部隊の面々は賞賛されるべきであろう。
反対に自分は責任を逃れ、たくさんの若者を特攻に送り込んだ高級軍人たちは糾弾されて然るべきであろうと思う。

自分の評価
★★★★☆80点

関連記事
睡眠学習研究室
閑中忙有
heridesbeemerのblog
※他ブログでの本書のレビュー
渡辺洋二「未知の剣-陸軍テストパイロットの戦場」を読破!!
渡辺洋二「決戦の蒼空へ-日本戦闘機列伝」を読破!!
※本ブログでの他の渡辺洋二作品のレビュー

ポチっとお願いしますm(_ _)m
ブログランキング・にほんブログ村へ
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

tatsunootoshigo

Author:tatsunootoshigo
関東育ちの三十路親父です。
今は、関東に住んでいます。
現在、日本百名城攻略中!!
座右の銘は、
「はやきこと風の如く、
 静かなること林の如し、
 攻めること火の如く、
 動かざること山の如し」。
よろしくです。
コメント、トラックバック、相互リンク、大歓迎です。

サイト内検索

日本百名城のインデックス

百名城インデックスへ

百名城以外のインデックス

百名城以外インデックス

博物館などのインデックス

博物館などのインデックス

タヌキおやじの足跡

タヌキおやじの足跡

※本ブログにおける訪問した場所の記事とグーグルマップを関連付けたホームページです。

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

月別アーカイブ

ランキング

ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 その他趣味ブログへ blogram投票ボタン

広告・宣伝

whiteheights-banner3.jpg

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。