タヌキおやじの日々の生活 渡辺洋二「未知の剣-陸軍テストパイロットの戦場」を読破!!     

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渡辺洋二「未知の剣-陸軍テストパイロットの戦場」を読破!!

あつい~いっこうにすずしくならんぞ。

未知の剣―陸軍テストパイロットの戦場 (文春文庫)未知の剣―陸軍テストパイロットの戦場 (文春文庫)
(2002/12)
渡辺 洋二

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旧日本陸軍では、主に開発が終わって実戦に投入する前の軍用機をテストする機関として陸軍飛行実験部、後に陸軍航空審査部という官衙を有していた。
その陸軍飛行審査部を題材にした作品である。
なので、主人公は主にテストパイロットと新鋭機ということになる。

この機関は各地に支部があったみたいだが、主に東京の福生基地を拠点としていたようである。
新鋭機の審査のほかにも、輸入した外国の航空機や鹵獲機のテストも行ったようである。
本書では、Me109E、Fw190A、P-40E、P-51Cなどが出てくる。

まあ、機動戦士ガンダムのOVA「MSイグルー」に出てくるジオン公国軍の第603技術試験隊みたいなものであろう。というか、603技術試験隊のモチーフが陸軍飛行実験部であるかもしれない。

テストしたのは、実戦で活躍した陸軍のほとんどの軍用機と、戦場に出る前に戦争が終わってしまった新鋭機だ。
あと、様々な装備のテストも担当した。

本書を読んでいると、もうちょっと上手く技術を使えなかったのかという思いが沸き出てくる。
陸軍は、ロケット弾である「ロ三弾」を不採用としたのだが、これなんか、対B-29用や対艦船用に使用すれば、特攻という手段に訴えることもなかったのではなかろうかと思う。
また、照準器でも、敵機の未来位置を予測して照準するものを不採用で終わらせている。
というようなことを渡辺氏は述べられているのだが。。。。

吾輩が個人的に思ったのは、戦争初期に鹵獲した東京にあったP-40Eの無線機がシンガポールのラジオ放送もとらえるのに対し、戦争末期に日本軍機の無線機はノイズだらけで役に立たなかったと。。。。
どうして、無線機メーカーにそのP-40Eの無線機を研究させて、日本軍の無線機に役立てなかったのかと。。。
無線機が使えないと、編隊空戦が効果的に行えないし、司令部からの命令を受けて効果的な戦力運用ができない。
確か、アースの仕方、うんぬんで日本軍の無線機はノイズが多くて使えなかったという話だったと思うが。。。。
口惜しいかぎりです。
照準器の話にしても無線機の話にしても、日本軍は、主な軍備、例えば、飛行機本体などの性能には熱心だったが、艤装品の性能については熱心ではなかったのではないかと思う。
もはや、戦闘の趨勢を決めるのは、レーダーや飛行機本体の性能を含めたシステム全体としての総合力であるにも関わらずだ。

一方で、航空エンジニアとテスト・パイロットを融合した「エンジニア・パイロット」たる技術将校を育成したのは、評価できると思った。
今現在の様々な分野のエンジニアでも商業ベースでものごとを考えられるエンジニアは少ないと感じるからだ。

排気タービン過給機を装備した五式戦闘機の審査を行う場面もあるのだが、ようやく実用的な排気タービン過給機の開発に成功したのは、敗戦の年の7月であった。
残念至極である。
しかも、その時は、もうすでにB-29は、直掩機のP-51を伴っていて高高度爆撃ではなくて、中高度爆撃を行っていた。

なんだかんだ言って、日本陸軍の新鋭機でものになったのは、五式戦とキ102ぐらいだったのではなかろうか。
無数の試作機を作った割には、報われなかったというべきであろう。
技術マネジメントの敗北というやつである。
いままた、日本は技術マネジメントの敗北というやつに直面しているが、それからどう脱するかを考える上で興味深い一冊である。

自分の評価
★★★★☆70点

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