タヌキおやじの日々の生活 半藤一利「ソ連が満洲に侵攻した夏」を読破!!     

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

半藤一利「ソ連が満洲に侵攻した夏」を読破!!

尖閣をめぐって、またヒートアップしてるみたいだな。
習近平という人は要注意だな。

ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)
(2002/08)
半藤 一利

商品詳細を見る


上層部が無能だと、何千人、何万人、何十万人の人間が犠牲になるという例を書いた本である。
読んでいて辛くなってくる本であった。
しかし、読まねばならない本でもある。

内容(カバー裏側より引用)
『日露戦争の復讐と版図拡大に野望をいだくスターリン、原爆を投下し戦後政略を早くも画策する英米、日露中立条約に頼り切ってソ満国境の危機に無策の日本軍首脳
―――三様の権謀が渦巻く中、突如ソ連軍戦車が八月の曠野に殺到した。
百万邦人が見棄てられた昭和史の悲劇を、『ノモンハンの夏』の作家が痛烈に描く。
解説・辺見じゅん』

米英に対して開戦する前、日本陸軍の仮想敵はソ連であった。
しかし、太平洋戦争の敗勢が強くなるにつれて、なぜか日本軍の首脳陣は、ソ連を友邦だと思い込むようになる。
そして、ソ連を仲介にした和平工作を頼もうとする。
簡単に言ってしまうと、溺れる者は藁をも掴むということなのだろうが、なぜ、かつて仮想敵にしていた国が自分たちに好意的な行動を取ってくれると思うのだろうか?
ソ連がドイツを降伏させたら、次にその矛先が敗北寸前の日本に向かってくるというのは、当然の帰結であろう。
しかも、日本陸軍は、ソ連を仮想敵としていたにも関わらず、スターリンという人間の性質について全く理解していなかった。
今でも変わっていないと思うのは、日本型エリートの傾向である。
昔は、日本のエリートというと、陸軍士官学校や海軍兵学校を出た高級軍人だったが、今は、東大などの難関校を卒業してキャリア官僚になった人々などをいうのであろう。
吾輩自身もエリートコースとやらにいたことがあるので、その心理が分かるような気がするのだが、彼等は、自分たちがこうであってほしいという希望と現実を混同するのである。
そして、現実が、希望と反対になってしまったときに、その失敗を隠そうとするためにそのしわ寄せが下の方の人間に行く。
なぜ、希望と現実を混同しようとするかというと、教育制度に原因があると思われる。
日本の教育制度が画一化された個性を産み出すように設計されていることが一つ。
そのため、自分たちのような人間以外を理解しようとしないし、それを認めようとしない。
また、試験で優秀だった人間がエリートとされるので、試験にばかり強く現実の問題に対して対処できる人間が偉くなりづらい。
試験にばかり強い人間は、予想外の事態や、試験に出ないような事態には対処できない場合が多い。
話は戻るが、日本政府首脳、日本軍首脳は、昭和20年始めよりソ連が満州との国境に兵力を集結し始め、スターリンが対日戦参戦の意志を固めているにも関わらず、ソ連に和平の仲介を求めようとする。
そして、突如、ソ連が宣戦布告と当時の日本軍は感じたみたいだが、現実と向き合う度胸があれば、そんなことはなく当然の帰結であると認識しそれなりの準備をした上で侵攻を迎えることができたであろう。
現実には、満州国に展開する関東軍は、侵攻を受けて早々に撤退を開始し、日本人居留民は置き去りにされた。
その結果、置き去りにされた日本人居留民がソ連軍から虐殺、略奪、暴行、レイプの類を受けたのは、有名な出来事である。
尊皇攘夷を旗頭に明治維新によって生まれた日本軍は、国体護持の軍であって、国民を守るための軍ではなかったということであろう。
また、日本兵がシベリアに抑留され、強制労働に従事させられ、何万人という人がシベリアの土となったのも有名な事実である。
ただ、残虐行為をしたのは、ソ連軍だけではなく、日本軍だって同じである。
731部隊と呼ばれる細菌戦部隊は、中国で民衆に対して実験的に細菌兵器の使用をしているし、本書で、半藤氏は、ソ満国境の要塞の建設に使役された中国人捕虜達は、その後の消息が明らかではなく、全員殺されたのではないかと推測している。
要するに、多かれ少なかれ、己が強い立場に立つと、人間というのは弱い人間に対して残虐と言えるかもしれない行動に出るということである。
ただ、文明度が進むにつれて、その傾向が減るというのも確かであろう。
日本において左派といういわれる人々にしても、右派といわれる人々にしても、人間とか国際社会というものについて分かってないのではないかと思う。
吾輩も偉そうなことは言えないが。。。
左の人達は、自衛隊の存在について否定し、何かあれば話し合いで解決しろという。
が、古今東西において力なき国、民族が、強国に蹂躙されてその民衆が虐殺、略奪、暴行、レイプを受けた例は、数限りない。
話し合いで解決できた例などは、歴史上において数少ないのではなかろうか。
右の人達は、南京大虐殺はないと主張したり、従軍慰安婦の存在を否定したりする。
が、残虐行為は、米軍だって日本軍に対してやっているし、反日の国である韓国の軍だって、ベトナム戦争でやっているし、ソ連については言及するまでもないであろう。
日本人だって人間である以上、日本人だけが残虐行為に無縁な国民であるということはないと思う。
かと言って、中国や韓国の主張を鵜呑みにしろということではない。
なぜなら、彼等は、日本を敵とすることによって自分たちの国民を団結させるために過去の事実を誇張して反日教育を行っているからだ。
要するに何が言いたいかというと、最低限の備え、防衛力は必要だし、何の根拠もなく他国を信頼したり、その善意に期待するのは危険であるということだ。
歴史というのは、正義によって動いていくのではなく、国益とか欲望とかによって動いていくもので、それらを正義というものによって隠そうとするものだということだ。

まあ、長い能書きをたれてしまったが、国際社会において日本人がいかに甘くて、その結果としてえらい目にあったことが書かれている本である。

自分の評価
★★★★☆70点
※書かれている事実は日本人として辛いが、読み物としてはよく調べてあり過去の教訓を活かすために重要な本であることは間違いない。

ポチっとお願いしますm(_ _)m
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

tatsunootoshigo

Author:tatsunootoshigo
関東育ちの三十路親父です。
今は、関東に住んでいます。
現在、日本百名城攻略中!!
座右の銘は、
「はやきこと風の如く、
 静かなること林の如し、
 攻めること火の如く、
 動かざること山の如し」。
よろしくです。
コメント、トラックバック、相互リンク、大歓迎です。

サイト内検索

日本百名城のインデックス

百名城インデックスへ

百名城以外のインデックス

百名城以外インデックス

博物館などのインデックス

博物館などのインデックス

タヌキおやじの足跡

タヌキおやじの足跡

※本ブログにおける訪問した場所の記事とグーグルマップを関連付けたホームページです。

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

月別アーカイブ

ランキング

ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 その他趣味ブログへ blogram投票ボタン

広告・宣伝

whiteheights-banner3.jpg

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。