タヌキおやじの日々の生活 吉村昭「長英逃亡」上下巻を読破!!     

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吉村昭「長英逃亡」上下巻を読破!!

昨日今日と、東京は雨であった。
明日からは晴れるらしい。

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長英逃亡〈下〉 (新潮文庫)長英逃亡〈下〉 (新潮文庫)
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ずっと読みたいと思っていた作品である。
吉村昭が得意とする逃亡小説の一つである。
本人の好みのせいかもしれないが、吉村作品には、軍艦物と脱獄逃亡物が非常に多い。
逃亡物では、吾輩が思いつくだけで、「逃亡」「破獄」「桜田門外ノ変」という感じである。
おそらく、逃亡小説を書かせたら、吉村氏の右に出る者はいないのではなかろうかとも思う。
で、誰が逃亡するのかというと、高野長英という蘭学者である。
学生時代、日本史を真面目に勉強した人は知っているであろう人物である。

高野長英(1804年~1850年)は、江戸時代後期の医者・蘭学者。
江戸幕府の異国船打払令を批判し開国を説くが、弾圧を受け死去した。
と、ウィキペディアにはある。
まあ、有名人である。

上巻の内容(カバー裏側より引用)
『シーボルトの弟子として当代一の蘭学者と謳われた高野長英は、幕府の鎖国政策を批判して終身禁固の身となる。
小伝馬町の牢屋に囚われて五年、前途に希望を見いだせない長英は、牢名主の立場を利用し、牢外の下男を使って獄舎に放火させ脱獄をはかる。
江戸市中に潜伏した長英は、弟子の許などを転々として脱出の機会をうかがうが、幕府は威信をかけた凄まじい追跡をはじめる。』
下巻の内容(カバー裏側より引用)
『放火・脱獄という前代未聞の大罪を犯した高野長英に、幕府は全国に人相書と手配書をくまなく送り大捜査網をしく。
その中を門人や牢内で面倒をみた侠客らに助けられ、長英は陸奥水沢に住む母との再会を果たす。
その後、念願であった兵書の翻訳をしながら、米沢・伊予宇和島・広島・名古屋を転々とし、硝石精で顔を焼いて江戸に潜伏中を逮捕されるまで、六年四か月を緊迫の筆に描く大作。』

読みながら思ったのは、人生を生きるとはどういうことかということである。
吉村昭がそのように書いているからかもしれないが、本書中の高野長英は、ただ逃げて生き永らえるということをよしとはせず、短期間であっても兵書を翻訳して日本の国防に尽くすことを己の使命として逃げながらも翻訳を続ける。
簡単に言ってしまうと、太く短く生きるか、細く長く生きるかという大雑把な生き方の選択において、長英は、太く短く生きる方を選んだということもできるかもしれない。
ただ呼吸をしているだけでは生きているとは言えんと。。。。
己の使命を全うして初めて生きていると言えると。。。
長英は考えていたのではなかろうかと。。。本書を読むと思える。

まあ、そのような人生論は置いておく。
ペリー来航前に、尚歯会(しょうしかい)という、蘭学、儒学者など幅広い分野の学者・技術者・官僚などが集まって発足したサロンが開かれていた。
メンバーは高野長英、小関三英、渡辺崋山、江川英龍、川路聖謨などであった。
尚歯会で議論される内容は当時の蘭学の主流であった医学・語学・数学・天文学にとどまらず、政治・経済・国防など多岐にわたった。
しかし、幕府内の蘭学を嫌う保守勢力の中心であった鳥居耀蔵によって謀反の濡れ衣を着せられ、解散させられる。
三英は逮捕をおそれて自殺、崋山は禁固(蟄居)後に自ら切腹するという悲劇的な最期を遂げる。
そして、高野長英も投獄される。
これを蛮社の獄という。
しかし、尚歯会の思想や遺志は江川や川路などのメンバーによって伝えられ、幕末の日本に大きな影響を及ぼしたそうな。
ペリー来航で、幕府首脳の全ての人間が、欧米と日本の軍事力の差に気付いたという訳ではなく、ペリー来航前から、一部の先見の明がある人間は、そのことに気づいて、警鐘を鳴らしていたということが分かる。
ペリー来航というのは、一つの象徴的な出来事であり、実を言うと、その前触れとなり得るべき出来事はたくさん起こっており、気が付く人は気が付いていた訳である。
しかし、早く気が付き過ぎてしまったばかりに、波乱万丈な人生を送ることになった高野長英の生き様を、どう取るかは、人それぞれであると思う。
あえない最期を遂げたが、兵書の翻訳をして日本の国防に貢献できたことを男の本懐と考えるか、不幸と考えるか、読んで考えて欲しいと思う。
久しぶりに吉村作品で読み応えのある小説であった。

自分の評価
★★★★☆80点

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現在、日本百名城攻略中!!
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