タヌキおやじの日々の生活 吉村昭「彰義隊」を読破!!     

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吉村昭「彰義隊」を読破!!

彰義隊 (新潮文庫)彰義隊 (新潮文庫)
(2008/12/20)
吉村 昭

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吉村昭の「彰義隊」を再読した。
内容的には、彰義隊の小説というより、彰義隊に関わった上野寛永寺貫主であった輪王寺宮能久親王の生涯みたいな話だった。
吉村昭は、彰義隊について小説を書こうと思っていたが、戦いが一日で終わったことから作品の奥行きが出ないということで躊躇していたらしい。
そこに、彰義隊が旗頭とした上野寛永寺貫主であった輪王寺宮能久親王を題材にして書くことを思い立ったらしい。

ちなみに、輪王寺宮能久親王(1847~1895)は、幕末・明治時代の皇族、陸軍軍人であり、伏見宮邦家親王の第9王子である。
仁孝天皇の猶子(養子とは少し違うらしい)であり、明治天皇の叔父に当たる。
皇族でありながら、結果的に幕府方に与し、朝敵となってしまった。
将軍家の菩提寺である寛永寺貫主であり、江戸に在住していたため、心情的に幕府側に近かったこともそうなってしまった一因であるようだ。
歴代、寛永寺の貫主には、皇子か天皇の猶子がなったそうである。
皇族でありながら、朝敵になってしまった希有な例である。
あの時代、いろんな境遇の人がいたもんだなあと感心してしまった。

あらすじは、徳川慶喜が鳥羽伏見の戦いで敗れて、親王が慶喜の恭順の意を朝廷に伝えるべく奔走する所から始まって、彰義隊に関わり、上野の山が陥落してからの逃避行を書く。
そして、奥羽列藩同盟の旗頭になり、朝敵になった後の後半生についても書かれている。

親王は、歴史という舞台から言うと、言い方は失礼かもしれないが、脇役と言ってよい人物であると思うのだが、吉村昭は、その数奇な人生を丁寧に書いている。
なぜ、皇族である親王が朝敵になってしまったのかという経緯が、親王の心情を想像しながら書かれている。
一人の人間が普段起こりえない非常の時においてどのように行動するかという点において興味深く読める。

また、彰義隊についてだが、吉村昭は、概ね好意的に書いている。
司馬遼太郎が、彰義隊攻撃の司令官だった大村益次郎を書いた「花神」で、彰義隊をぼろくそに書いているのと対照的である。
この辺りは、東京出身の吉村昭と大阪出身の司馬遼太郎の歴史観の違いを感じる。
出身地というのは、その人の考え方にそれなりに影響を与えるものであるらしい。
また、書く対象によっても当然、書き方、見方は変わるであろう。

それと、親王が、上野、寛永寺から落ち延びるときに、東京の日暮里、尾久付近を転々とするのだけど、その当時、日暮里は、ひぐらしの里と呼ばれていたらしい。
日暮らしの里が、転じて日暮里になったようだ。
吉村昭は、日暮里の出身であるので、思い入れがあったらしい。
今、我が輩も、日暮里付近に住んでるので、感慨深いものがある。

題名が「彰義隊」なので、彰義隊の戦いが書かれていることを期待して読んでしまうとがっかりしてしまうかもしれない。
彰義隊のサイドストーリーとして読むべきだと思う。
また、歴史好きの人なら面白く読める一冊であると思う。

自分の評価
★★★☆☆55点

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2012年6月10日改訂。

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