タヌキおやじの日々の生活 青木理「日本の公安警察」を読破!!     

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青木理「日本の公安警察」を読破!!

最近、肩こりが激しいな~

日本の公安警察 (講談社現代新書)日本の公安警察 (講談社現代新書)
(2000/01/20)
青木 理

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日本の公安警察について書いた本である。
濱嘉之が公安を肯定的に捉えているのに対して、本書の作者は公安を懐疑的に国民のプライバシーを破るおそれのあるものとして捉えているようだ。
ただ、公安がやっていることは、ほぼ、濱嘉之の小説に出てくるとおりであるらしい。
しかし、濱嘉之の小説では、協力者獲得工作については書かれていなかった。
吾輩が、30年以上生きてきて、学んだことは、一つのことについて考えるときは、そのことについて肯定的に捉えている人の意見と、否定的に捉えている人の意見を平等に聞いた方がよいということだ。
つまり、政治の話になると、右寄りの人、左寄りの人がいるのだが、片方の意見を聞くばかりではなくて、両方の意見を聞いたうえで、判断した方がよいということだ。
濱嘉之の公安万能万歳的な小説を読んだ後に、本書を読むと、日本の公安の限界や、濱嘉之が小説中では意図的に触れなかった出来事について知ることができる。
ちなみに、著者の青木氏は、共同通信社のジャーナリストであったらしい。
知る権利を主張したい人からすると、きっと公安という組織は、自分の主張、行動を邪魔する組織であるだろう。

まあ、目次はというと、、、、
1章 厚いベールの内側
2章 特高から公安へ
3章 監視・尾行から工作まで
4章 公安秘密部隊
5章 戦後の公安事件簿
6章 オウム・革マル派との”戦い”
7章 警察の外にある公安
8章 監視社会と公安警察
である。

公安の主な監視対象は、共産党、赤軍派、学生運動などであった。
まあ、刑事警察が、国民の生活を守るためにあるのに対して、公安警察は、国家の存在を守るためにあったわけである。
そのようなわけで、国家体制に反する団体の監視・尾行・工作を延々と続けているわけである。
かつては、共産党に対する謀略も行っていた。
1952年に起きた菅生事件である。
九州の菅生の駐在所が爆破されるという事件であった。
この事件の容疑者として、共産党員が検挙されたが、まったくの冤罪であり、それを仕組んだのは、身分を隠した、ある公安警察官であった。
それにもかかわらず、結局、その警察官は、無罪となり、免職もされず、その後、警察内で昇進を重ねて、定年退職した。
朝鮮戦争の最中で、戦後間もない時で、いまとは常識も違ったのだろうとは思うが、70年代生まれの人間からすると、驚愕の事実である。

公安警察の中枢として、全国の公安警察官を指揮・管理する裏組織「サクラ」という部隊が警察大学校にあったそうな。
この組織は、「チヨダ」と名前を変えて、霞が関に移ったらしい。
このことは、濱嘉之の作品でも出てくるが、そうなった理由については触れられていない。
名を変え、所在地を変えることになった事件が、共産党幹部宅盗聴事件であった。
公安は、町田市にあった共産党の国際部長宅を盗聴していたのだが、共産党の方で、電話に不具合が出るようになったことを不審に思い、調査をしたところ、電話線が近所のアパート(公安の監視拠点)までひかれていることが判明する。
公安警察史上の不祥事の一つであったと。。。。
しかし、警察を起訴する検察は、一人の起訴者も出さずに終わらせる。
検察と警察の将来を考えると、ベストな選択であったと。。。
きわめて日本的な結論であるとはいえる。

同じく、公安警察の不祥事が、オウム事件の時の警察庁長官狙撃事件と革マル派による警察無線傍受である。
オウム事件の時、刑事警察は、他のオウム事件で手いっぱいであったので、警察庁長官狙撃事件の担当が公安警察に回ってきたということである。
当初は、オウムに対して熱心ではなかった公安も長官が狙撃される事件が起こってからは、オウム幹部の確保に全力を挙げるようになり、井上らの幹部を確保したのであった。
しかし、不祥事はそれからおこった。
オウム信者であった公安警察官、K巡査長が、長官狙撃犯であり、警察がK巡査長の自供を隠しているという怪文書がマスコミに配られた。
この紙爆弾は、警察を揺るがせた。
濱嘉之の小説で、主人公の捜査対象の宗教団体の信者が警察内にもいて、主人公がその対策をするシーンがあるのだが、実際にあったことをデフォルメして小説にしているのだなと。。。

それから、革マル派による警察無線傍受である。
1998年、警察は、革マル派のアジトを強制捜査した。
その時、判明したのは、革マル派が、デジタル化され、暗号化され、二重三重の防護が施されて、警察が絶対に安全だと考えていた警察無線が解読され傍受されていたことであった。
一般の警察無線だけではなく、公安の専用無線、警視庁人事一課監察チームの無線までが傍受されていたとのこと。
また、押収した1万本以上の鍵には、警察庁、警視庁幹部の家の鍵や、公安部員の家の鍵も含まれていた。
それに加えて、様々なところで盗聴を行ったり、不法侵入して文書を盗んだりしたことも判明したとのこと。
また、驚くべきことに、オウム信者のK巡査長が警察庁長官狙撃を自供したことも、怪文書が配られる前から知っていた節があるとのこと。

ここまで読んで思ったのは、確かに濱嘉之の作品は、現実に近いということである。
実際の事件というのは、いろいろな事象が複雑に入り組んで起こっているものらしい。
公安をリアルに小説化しようとすると、濱作品みたいに読みづらくなるのであろう。

話は変わるが、本書、公安の中の外事課、外事警察については、あまり記載されていないのが特徴である。
外事課とは、外国諜報機関の諜報活動・国際テロリズム・戦略物資の不正輸出を捜査する課である。
ただ、朝鮮総連などに対して、協力者を得るための工作を行っている旨の記載はあった。
この辺は、公安の機密事項においても、最高に位置するものであるのかもしない。
そのため、ジャーナリストであっても、本にできるほどの情報がないのかもしれない。

日本国内で、こういうことが行われていると、知る上で読む価値がある本だと思う。
公安について知りたい人は、必読の本である。

自分の評価
★★★★☆80点

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