タヌキおやじの日々の生活 徳田八郎衛「間に合わなかった兵器-もう一つの第二次世界大戦」を読破!!     

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徳田八郎衛「間に合わなかった兵器-もう一つの第二次世界大戦」を読破!!

間に合わなかった兵器―もう一つの第二次世界大戦 (光人社NF文庫)間に合わなかった兵器―もう一つの第二次世界大戦
(光人社NF文庫)

(2007/07)
徳田 八郎衛

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続いて、もう一冊、軍事技術物を読んだ。
こんどは、主に日独ソにおける電波兵器や対戦車兵器やジェット戦闘機の新兵器開発に焦点を当てたノンフィクションである。
新兵器の開発記であるので、メーカーなどで開発を担当している方は、参考になるかもしれない。
しかし、かなり記載が専門的なので軍事に詳しい人でないと、面喰うかもしれない。

先ず、第一章は、『戦車に肉薄攻撃』。
対戦車砲の開発が遅れ、既存の対戦車砲は貧弱すぎ、日本軍の将兵は、肉薄攻撃を余儀なくされたと。
聞いたところによると、戦車に対して肉薄攻撃をやったのは、日本陸軍だけだったという話だ。
日本軍将兵の無念がしのばれる。
対戦車砲の開発の遅れに加えて、対戦車ロケット砲を実戦に投入することもできなかった。
ドイツは、1943年から普通に使用していたし、アメリカは、1942年からバズーカという名称の物を使用していた。
ドイツから対戦車ロケット砲を1943年に輸入しているので、デッドコピーして使用すれば、次の年には、実戦投入できたはずである。
しかし、日本の開発陣は、新たな対戦車ロケット砲を開発することを選択し、それは実戦に間に合わなかった。
スピード感覚の欠如を感じる。

次に、第二章では、『日本海軍が軽視した電波兵器』、第三章では、『知られざる本土警戒態勢』。
要するに、第二、三章では、電波兵器の開発・配備について書いている。
これが、本書のメインであるらしい。
著者が、一番書きたかったものであるらしい。
でも、電波兵器については、これを対象にしている書物はたくさんあるので、目新しいことはないが、陸軍と海軍が、別々に同じ対象に対して開発を行っており、重複開発重複投資という意味で無駄であったと。。。
印象に残った言葉は、
『システムとは、簡単にいえばいくつかの縦に連なったものを横に連ねることである。
その手段となるのは通信網だ。
それによって航空機、レーダー、高射砲、艦艇といったサブシステムが、防空や救助というシステムの中で機能し始める。
陸軍の師団などは典型的なシステムで、砲兵や歩兵、工兵といったサブシステムが効率よく機能してこそ、最大の戦力を発揮することができる。』
『そしてシステム思考のできる開発指導者も不在であった。』と。。。。
今現在についても同じことが言えると思う。
日本人は、物作りで個々の工業製品についてはよいものが作れても、それらを有機的に組み合わせてシステムとする能力に欠けているように感じるのである。
例えば、ウォークマンという画期的な製品や、iモードというサービスを生み出しても、それをiPodとiTuneのようなシステムや、スマートフォンといったシステムに結び付けられなかった。
吾輩が思うに、教育システムに問題があるのではないかと推測する。
おそらく、欧米列強に追いつき追い越せの過程で、それを達成するためには、専門分野を分けて専門家を集中的に育成することが効率的だった。理系と文系に分けたのがその典型である。
そのため、いくつかの専門分野を専攻して幅広い知識を身につけることができるような教育システムが育たなかった。
また、リベラルアーツ教育の欠如も幅広い知識、教養を身につける機会を与えなかった。
そのため、様々なサブシステムについての本質的な理解ができないので、それらを組み合わせてシステムにすることができない。
まあ、あくまで、吾輩の推測にすぎないが。。。

第四章は、『ドイツの空は戦闘機か爆撃機か』。
今度は、ドイツのジェット機開発記である。
これも、数多くの書物で取り上げられている話である。
しかし、世界初の実用的ジェット機を生み出したメッサーシュミット社の前に、実を言うとハインケル社が実用的なジェット機を開発していたものの、ドイツ空軍省に嫌われていたために採用されなかった顛末について詳しく書かれていて、興味深い。
不運のジェット戦闘機、ハインケルHe280(ウィキペディアから引用)。
He_280.jpg

第五章は、『間に合わせたソ連の底力』。
この章では、旧ソ連における間に合った兵器について書かれる。
ドイツ、日本が、多種の兵器を試作をして、多種の兵器を少量に生産したのに対し、ソ連は、少ない種類の兵器を試作して、少ない種類の兵器に絞って大量に生産したと。。。。
ものすごく単純で基本的だけど、ものすごく効果的なマネジメントである。
選択と集中というやつです。

第六章は、『間に合った兵器、間に合わなかった兵器』。
総括的な話を書いた章ではなかろうかと。

概ね、興味深く読めたが、潜水艦開発の話がなかったのが、残念な気がする。
ドイツのエレクトロボートの話とか、日本の潜高級の話とかも読みたかった気がした。
特に日本の潜高級は、エレクトロボートもそうだが、間に合わなかった兵器の最たるものである。
エレクトロボートの開発については、いろいろな書物で書かれているが、潜高級については、吾輩は、記載されている書物が少ないと感じている。
残されている資料が少ないのかもしれないが、今現在、検証が必要な分野であろう。

ともあれ、本書は、科学者・技術者にとっては、面白く読める本だと思う。
また、メーカーなどの経営者が技術経営を行う上で参考になる本でもある。

自分の評価
★★★☆☆50点

2012年4月28日改訂

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