タヌキおやじの日々の生活 遠藤周作「戦国夜話―こころの風景」を読破!!     

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遠藤周作「戦国夜話―こころの風景」を読破!!

戦国夜話―こころの風景戦国夜話―こころの風景
(1996/06)
遠藤 周作

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遠藤周作の著作を読んだのは、何年ぶりだろうか。
中学生の時に、「海と毒薬」を読んだきりだから、20年以上の久方ぶりとなる。
「海と毒薬」は、太平洋戦争時に、米軍の捕虜を人体実験に使用した事件を題材にしたものであった。
司馬遼太郎が英雄譚を好んで描くのに対して、遠藤周作の作品には、どこか人間の性(さが)に対する哀愁が漂う。
本書は、戦国時代の武将やその妻たちを書いたものである。

目次
1話―織田信長と『武功夜話』
2話―豊臣秀吉の人心収攬術
3話―前野将右衛門と木曾川
4話―荒木村重の反逆
5話―水の人間、小西行長
6話―支倉常長の航海
7話―ペドロ岐部の帰還
8話―お市と淀君の報復
9話―苦悩する王、宗麟
10話―高山右近の殉教
11話―細川ガラシャの信仰
12話―歴史の楽しみ

「武功夜話」という歴史史料があるそうな。
戦国時代から安土桃山時代頃の尾張国の土豪前野家の動向を記した覚書などを集成した家譜の一種である。
武功夜話に含まれるのが、前野家文書と呼ばれる古文書群だそうな。
前野家文書は、愛知県江南市の旧家(旧庄屋)吉田家に、先祖である前野氏の歴史をまとめた書物として伝わっているものである。
まあ、要するに、豊臣秀吉の重臣であった前野将右衛門の子孫が前野家に関することを書き残したものである。
いろいろと、内容の信頼性に疑問がある文書でもあるようだ。
しかし、遠藤周作は、この文書を信頼性があるものとして扱っている。
本書が書かれたのが、1990年代ということで、研究が進んでいないときであったこともあるとおもう。
その「武功夜話」をもとに1~3話を書いている。
面白いのは、信長寵愛の側室、吉乃の生家である生駒家は、生産した灰と油を、川並衆といった蜂須賀家、前野家らの木曾川沿いに活動する水運業を営む人々に運んでもらっていて、この三家は、密接な関係にあったということだ。
これらの人々は、非常の際には、武装勢力ともなる野武士、地侍でもあったようだ。
秀吉は、これらの人々たちとのつながりを大事にして、その出世にうまく使った。
それにしても、前野将右衛門という人の最後は、悲運である。
秀吉の勘気に触れて豊臣秀次が処刑されたのに連座して、将右衛門も処刑されてしまうのである。
秀次の教育係であったからだ。
こんなに秀吉に尽くしてきたのにという思いであっただろうと思う。

織田信長に仕える大変さも書いている。
歴史上の理想のリーダーに織田信長が挙げられることが多いが、確かに部下は大変だと思う。
リーダーが無能でも部下は困るのだが、あそこまで激烈であると、反対の意味で困るのである。
吾輩としては、リーダーには、中庸の徳というのを求めたい。

他に、支倉常長についても書いていて、本書では、支倉常長は、地侍の出身で伊達政宗の重臣ではなく、下級武士であったとしている。
が、ウィキを読む限り、けっこう、大きな所領をもっており、そんな感じではないのだが、どっちが正しいのであろうかわからない。

また、細川ガラシャに関しては、夫の忠興に対しては、愛情が冷め切っていたらしい。
神父とガラシャの手紙には、息子や娘のことに関しては記載されているが、忠興のことについてはまったく触れられていないとのこと。
司馬遼太郎の短編「胡桃に酒」を読むと、そりゃそうだよという感じがする。

本書は、著者の遠藤周作がキリスト教徒ということで、キリシタンだった人を多く取り上げている。
戦国時代に、人々が次々にキリスト教に改宗した背景には、その時代の不安定さに対するストレス、不安感があったらしい。
まあ、心の拠り所が欲しかったのだろうと思う。
現代において、あやしげな新興宗教が流行るのと状況は似ているのかと思う。

自分の評価
★★★☆☆70点

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コメント

武功夜話

こんにちは。

遠藤周作は「武功夜話」を題材に小説を書いていますね。
タイトルは忘れましたが、それを読んだことがあります。

前野将右衛門が主人公だったような気がします。
結構おもしろかったです。
  • 2013-08-11 10:49
  • URL
  • よんちゃん #-
  • Edit

Re: 武功夜話

まあ、本書は、短編集ですね。
8,9編中の3編は、武功夜話をモチーフにして書いてますね。
それぞれ、秀吉と信長と前野将右衛門が主人公です。
秀吉と信長も将右衛門からの観点で書かれているところが特徴ですね。
  • 2013-08-11 22:22
  • URL
  • tatsunootoshigo #-
  • Edit

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