タヌキおやじの日々の生活 上垣外憲一「文禄・慶長の役―空虚なる御陣」を読破!!     

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上垣外憲一「文禄・慶長の役―空虚なる御陣」を読破!!

文禄・慶長の役―空虚なる御陣 (講談社学術文庫)文禄・慶長の役―空虚なる御陣 (講談社学術文庫)
(2002/04)
上垣外 憲一

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なぜか、日本では題材にされることが少ない秀吉の朝鮮出兵である。
日清戦争から太平洋戦争までの過程は、最近のことなので取り上げられるのは当然としても、日本史において数少ない対外戦争である、白村江の戦と秀吉の朝鮮出兵が日本において取り上げられないのは不思議である。
吾輩が推測するに、昔のことであること、負け戦であることが原因かと思われる。
本書を読んで思ったが、太平洋戦争での敗因は、そのほとんどが秀吉の朝鮮出兵の敗因と共通するということである。
また、著者の上垣外氏は、きわめて秀吉の朝鮮出兵に対しては批判的である。
しかし、吾輩から見ると、二千年の間に、隣国に攻め入ることが三度しかなかったということは、海で隔てられているという事情があるにしても、非常に少ないことであって、全体としては良好な隣国関係であったのではなかろうかと思う。
上垣外氏は、秀吉一人の責任を攻めるが、軍事力学的観点から見ると、日本国内での内戦によって高まった軍事力が外に向かうのは自然のことであったと思う。
国内統一がされた後に、その軍事力が外征に使われる例は、世界史において数多くあるのではないかと思う。

内容の紹介(カバー裏面より引用)
『秀吉の朝鮮出兵はなぜ行われ、何を残したのか。
日朝双方の資料の緻密な読み込みを通して鮮やかに描き出される、戦いにいたる交渉過程と苛烈な戦闘、戦後処理の実状。
そして、戦火と蛮行の果てに人々が見出した、友好の懸け橋・朱子学の可能性とは。
近現代の日韓関係にまで影を落とす「空虚」な戦争を、東アジア史の視座から問いなおす壮大な試み。』

目次
はじめに
第一章 開戦前夜―――秀吉一人の望んだ戦
第二章 文禄の役―――押しとどめられた進撃
第三章 慶長の役―――耳塚、そして捕虜連行
第四章 陶工と朱子学―――戦乱のもたらしたもの
第五章 和平を求めて
終章  歴史観と「伝承」―――あとがきにかえて

開戦前夜においては、朝鮮側は、楽観論から日本が攻めてこないという結論に達して、準備を怠る。
まあ、白村江の戦から千年以上が経っているので、そのように考えても不思議ではないが、要するに朝鮮側は、平和ボケしていたと。。。。
文禄の役では、小西軍は、平壌まで進撃し、加藤軍は、朝鮮の北東国境付近まで進撃した。
小西軍の進軍はともかくとして、加藤軍の進軍は、あまり意味のないものであったと思う。
というのは、満州と朝鮮の国境付近には、戦略的にめぼしいものは何もなかったと思われるからである。
そして、小西軍の進軍が平壌で止まって、漢城に撤退することになったのは、明軍がやってきたことや李瞬臣などの朝鮮水軍や民衆の蜂起によって補給が滞ったことがあるようだ。
本書でも書かれているが、占領政策の失敗と、水軍力の弱さと、兵站の弱さが原因であるようだ。
これは、そっくりそのまま太平洋戦争にも当てはまる。
そして、日本側は、明軍と朝鮮軍に南に押し返され、5万の兵力で朝鮮南部に作った倭城で、慶長の役まで拠点防衛を行う。
その間、朝鮮での領土を認めるように外交を行うのだが、ことごとく失敗するのである。
著者は、外交力のなさも日本の敗因であるという主旨を述べている。
これも、太平洋戦争に突入した原因の一つであろう。
そして、外交が破綻し、再び出兵することになるが、今度は、漢城までも到達できず、結局、秀吉が死ぬまで膠着状態が続いたようだ。
著者は、また、朝鮮出兵によって日本にもたらされたものについても書いている。
その主なものとして、陶芸品と、朱子学をあげている。
興味深い著者の指摘として、日本側に勝機があるとすれば、のちに中国で清王朝をうちたてることになる満州族と同盟することであったと述べている。
そうしなかったことは、その当時の日本の外交力のなさを裏付けていると述べている。
おそらく、その当時の首脳のほとんどが、満州族を知らなかったと思われる。
それも外交力のなさということなのだろうけども。。。
結果としては、日本の朝鮮出兵が、明を弱体化させ、李自成の反乱によって明は滅び、満州族が侵入して、清王朝がうちたてられた。
まさに、漁夫の利というやつである。
この本を読んで思ったのは、太平洋戦争について学ぶには、白村江の戦や秀吉の朝鮮出兵について学ぶ必要があるということである。
また、日本であまり詳しくは知られていない文禄・慶長の役について知る上で貴重な本であると思う。

自分の評価
★★★★☆70点

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