タヌキおやじの日々の生活 塚本勝一「自衛隊の情報戦―陸幕第二部長の回想」を読破!!     

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塚本勝一「自衛隊の情報戦―陸幕第二部長の回想」を読破!!

自衛隊の情報戦―陸幕第二部長の回想自衛隊の情報戦―陸幕第二部長の回想
(2008/09)
塚本 勝一

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非常に読む価値がある著作と感じた半面、自衛隊の有するあやうさみたいなものも感じた。
著者の塚本勝一氏は、兵庫県出身の元大日本帝国陸軍軍人で元陸上自衛官だそうな。
陸軍士官学校を卒業し、中国戦線で戦われ、陸軍大学校を卒業したところで、終戦を迎え、戦後、自衛隊に入隊し、部隊勤務や韓国の駐在武官や自衛隊の情報部門に勤務された後、退官されたようだ。
この人が現場で経験した主な事件に、「よど号ハイジャック事件」があるようだ。
この部分だけでも、読む価値はあると思う。
ただ、南京大虐殺や従軍慰安婦や金大中事件や今後の国防についての考えについては、疑わずに読むべきではなく、いろいろな背景を勘案しながら読むべきと感じた。

内容の紹介(カバーより引用)
『専守防衛の国・日本の自衛隊にとってインテリジェンスはとりわけ重要である。
「ウサギのように大きな耳」を持たねばならないのだ。
発足から半世紀、自衛隊はいかにして情報を収集し、情報分析をおこない、どれほどの成果をあげてきたのか。
陸上幕僚監部(陸幕)の第二部(情報担当)長をつとめ、朝鮮半島問題のエキスパートとして知られる元高級幹部が、ベールに覆われていた活動の実相を初めて明らかにする。
あわせて、旧軍時代の大陸戦線従軍体験、現役時代に遭遇した「よど号事件」「金大中事件」から汲み取った教訓を披瀝。
こんごの防衛省・自衛隊の情報戦略のあり方を総合的に示す。
今もっとも時宜にかなった貴重な回想録!』

目次
はじめに
序章 これからの防衛省に何が必要か
Ⅰ部 歴史に学ぶ
Ⅱ部 「よど号事件」に見る危機への対処
Ⅲ部 金大中事件にまつわる誤解、中傷に終止符を
Ⅳ部 国防と情報のあり方を考える
おわりに

Ⅰ部では、従軍慰安婦問題と南京大虐殺問題について書かれている。
著者は、従軍慰安婦の強制はなかったという意見である。
まあ、確かに慰安婦であった方の証言以外に証拠がないわけである。
吾輩としては、当時の風潮や人権に対する感覚からどうなのだろうと疑問に感じているわけである。
そして、著者は、河野談話を撤廃するべきと述べている。
吾輩としては、一度、公的に発表したものを取り下げるのは、国際信義にかかわるのでやめるべきであると思う。
ただ、証拠がないことに対して謝罪するべきではないというのは、まったく同感だし、いろいろな問題をあいまいにしておくのは、後に問題を大きくするもとになると思う。
また、南京大虐殺については、20万人が殺戮されたというのは誇大であり、もっと少ない数であったというのが著者の主張である。
20万人というのは、中国側が誇張して主張しているものだと述べられている。
これについては、吾輩も同感である。
ただ、いろんなところで、著者は、当事者の側にいたので、歯切れが悪いとも感じた。
また、従軍慰安婦と南京大虐殺に関する宣伝・広告戦で、日本は完敗したと述べている。
これも、同感である。
証拠がはっきりしている謝罪するべきことは謝罪するべきだが、証拠があいまいなことは認めるべきではないし、相手がたの主張に対しては、きちんと反論しないと、付け込まれるばかりだ。

Ⅱ部では、「よど号ハイジャック事件」について書いている。
当時、著者は、韓国の駐在武官を務めており、事件の現場で活動した人であった。
この場面の記述は、当人が現場にいただけあって、詳細で臨場感があり、危機に際して、どう対処すべきかの教訓を得ることができる。
今はどうか知らないが、当時の韓国軍は、朝鮮戦争が終わった直後であって、危機管理体制がしっかりしていたことが読み取れる。
また、当時の朴正煕大統領は、様々な改革を行って、「漢江の奇跡」をおこし、韓国が先進国の仲間入りをするきっかけを作った人であったが、日本陸軍士官学校出身の人でもあった。
そのせいか、日本の士官学校出身の人は、朴大統領に親近感を持っている人が多いようだ。

Ⅲ部では、金大中事件について書いている。
ここの記載は、吾輩は、どうも胡散臭いと感じた。
著者が、意図的に隠していることがあるのではないかとか、主謀者として疑われる朴大統領をかばった見方をしているのではなかろうかとも感じられた。

Ⅳ部では、防衛省・自衛隊のこれからのあり方について書かれる。
防衛省に関しては、自衛官の権限を拡大し、官僚の権限を縮小すべきだという考えであるようだ。
「羹に懲りてあえ物を吹く」という言葉があるように、シビリアンコントロールを厳格にしすぎたということはあるかもしれないが、なぜ、シビリアンコントロールが厳しく言われるようになったかに言及していないし、また、自衛官の権限を拡大するにあたって、その歯止めをどうするかについて述べられていないのは、どうかと感じた。
それと、著者は、純粋培養の弊害について述べている。
旧陸軍の陸軍幼年学校出身者についてはなにも書いていないが、幼年学校的なものを自衛隊に作らなかったのは、よかったことだと述べていることから推測するに、幼年学校出身者に対してあまりよい印象を持っていないようだ。
自衛隊の将官の9割が、防衛大学校出身者であることから、一般大学出身者の割合を増やすべきと述べられている。
純粋培養の弊害や、いろいろな人材を登用すべきというのは、同感である。
あと、非核三原則の撤廃や、敵基地攻撃能力についても書いている。
まあ、日本は、アメリカの核の傘に守られているわけで、それと、核兵器を持たない、作らないはよいとしても、持ち込ませないというのは、核の傘に入っていることに矛盾しているわけである。
そこらへんは、現実的な議論が必要と感じる。
敵基地攻撃能力については、ミサイル攻撃を受けた場合に、ミサイルを発射した基地を攻撃するという議論は、北朝鮮がミサイルの発射実験を行うたびに起こることである。
吾輩としては、自衛隊の戦力を増やそうとしても、敵の攻撃能力を奪うほどの攻撃ができるまでに増やすことは予算的に無理だし、国際信義の面からすべきではないと思う。

著者の塚本氏に関しては、かなり右寄りと感じたが、その一方で、非常に理知的で客観的な見方ができる人であると感じた。
自衛官全員が、塚本氏と同じような考え方をしているとは思わないが、一部または大多数は、そのように考えているのかなとも思った。
ともあれ、よど号ハイジャック事件の記載だけでも、非常に読む価値のある本だと思う。
塚本氏の個人的な意見は、賛否両論分かれるところである。

自分の評価
★★★★☆80点

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