タヌキおやじの日々の生活 森田松太郎、杉之尾宣生「撤退の本質」を読破!!     

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森田松太郎、杉之尾宣生「撤退の本質」を読破!!

撤退の本質 (日経ビジネス人文庫)撤退の本質 (日経ビジネス人文庫)
(2010/08/03)
森田 松太郎、杉之尾 宣生 他

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ウィキによると、撤退(てったい)とは、戦略においてある部隊が敵地における作戦地域から部隊を後方へ移動することで、戦術論における後退行動とは異なる概念だそうな。
不利な状況下において、損失を最小限にして、後退し、次の行動につなげようとする行為といってよいと思う。
人生においても、自己に不利な場面というのは必ずあるわけで、引き時とか攻め時とかを知っていることは、人生をうまく乗り切るために必要なことであると思う。
本書であるが、一部、撤退とは違ったことも記載しているが、軍事篇と企業篇にわけて、それぞれ撤退の事例を挙げている。
事例としては、知っていることもかなりあったが、再認識させられたこともあるし、新しく知ったこともあり、ビジネスパーソンに有意義な書物であると感じる。
ただ、グラフとか表が載っているのだが、ほとんど意味をなしてないように感じた。

内容の紹介(カバー裏面より引用)
『撤退は、どんな状況で決断されるのか?
公認会計士と軍事の専門家2人が、企業・軍事の両面から撤退を分析。
歴史的実例を交えながら、リーダーの判断力や決断力、実行力の違いをあげて、戦略的な決断とは何かを導き出す。』

目次
はじめに
第1章 事前に的確な見通しが必要
 軍事篇 大東亜戦争開戦前夜の戦略的混迷
 企業篇 ダイエー―――拡大戦略の挫折
第2章 無理な論理は駄目
 軍事篇 日露戦争における卓越した戦争終末指導
 企業篇 松下電器(現パナソニック)の七転び八起き
第3章 決断は迅速に
 軍事篇 信長の金ヶ崎撤退
 企業篇 日産自動車―――日本的経営からの脱皮
第4章 事実を見る目
 軍事篇 南京で「ビスマルク的転換」は何故起こらなかったか?
 企業篇 IHI(旧石川島播磨重工業)―――海から空へ
第5章 先見の明
 軍事篇 戦争様相を激変させた「電撃戦」
 企業篇 ノキア―――勇気ある決断
第6章 タイミングが大事
 軍事篇 キスカ撤収作戦
 企業篇 ブラザー工業―――新規事業への進出
第7章 臨機応変に
 軍事篇 旅順攻略の第三軍司令官乃木大将の戦場統帥
 企業篇 ニチロ―――撤退と転換の繰り返し
第8章 隠された事実
 軍事篇 日露戦争を正しく学習できなかった帝国陸軍
 企業篇 カネボウ―――真実の隠蔽
解説

戦争は始めるのより終わらせるのが難しいそうだ。
戦前の日本は、泥沼の中国戦線にはまり、挙句の果てにはアメリカと戦い、敗戦を迎えた。
第4章の記載からすると、日中戦争を終わらせる最後のチャンスだったのが、南京攻略前だったそうな。
ドイツの大使を仲介として、蒋介石政府と講和の話があった。
しかし、日本政府首脳のリーダーシップがなかったことと、現地軍の強硬姿勢から戦争はなし崩しに続行することになった。
対照的なのは、普墺戦争におけるビスマルクの終戦工作だそうな。
ビスマルクは、オーストリアに深入りすることなく、相手側に寛大な条件を持ち出して、戦争を終わらせた。
また、日露戦争の戦争の終らせ方も、日中戦争と対照的なものであろう。

本書を読んで分かったのが、企業というのは、多角化と、選択と集中とを交互に行っていくということだ。
企業の業績が良い時は、将来の収益源を探すために多角化を行い、業績が悪くなると、そのうち、伸びていく分野や採算分野に特化し、非採算分野を切っていく。
このサイクルがうまくいく企業というのは、生き残れる企業といって過言でもないようだ。
多角化にしても、本来の業務に近いところから行っていくのがみそであるようで、飛び石を打っても、失敗に終わる可能性が高い。
多角化、選択と集中がうまかった企業として、ブラザー工業と、ニチロをあげている。
ブラザー工業は、もともとはミシンのメーカーだったそうだ。
しかし、いまは、複合機やIT周辺機器のメーカーとなっていて、ミシンの占める部分はごくわずかである。
また、ニチロは、今は、食品メーカーであるが、かつては遠洋漁業の会社であった。

第7章には、乃木大将の旅順要塞攻略について書いている。
著者は、司馬遼太郎の乃木観には、きわめて批判的である。
著者によると、乃木軍は、大山司令官より203高地以外のところを攻めるように命令されていて、203高地を主攻とするような権限はなかったとしている。
また、児玉源太郎が戦前に述べていたように、日本軍全体が、旅順要塞の周りに竹矢来でも囲っておけばよいぐらいの認識であったと。。。
それゆえに、乃木大将にすべての責任を負わせるのは酷であると。。。
むしろ、乃木は、戦場より戦訓を得て、それをフィードバックしていると擁護している。
吾輩としても、乃木大将が日露戦争で最もババを引いた人物であることに異論はない。
しかし、乃木大将が愚将であるか凡将であるか分からないが運も含めた結果がすべてだよな~とも思うのである。

日露戦争後、日本陸軍は、白兵突撃を重要視するようになるのだが、一部参謀は、日露戦争で白兵突撃が成功した例は、1割にも満たないということを調べ、戦訓としようとするが、当時の風潮から中止させられる。
また、日本陸軍の第一次世界大戦の観戦武官が、塹壕戦の実相を見て、報告するも黙殺される。
要するに、ノスタルジーに浸って、現実を見ようとしなかったと。。。
その現代の例として、カネボウをあげている。
カネボウは、粉飾決算を続けて、現実を直視することなく、破綻に至ったと。。。
粉飾決算は、一種の麻薬のようなもので、一度やると、やめられなくなるそうな。

表とかグラフとかがもうちょっと意味のあるものにしてほしかったと思ったが、読んでそれなりに面白かったし、ためになる内容だったと思う。
ビジネスに役立つ内容かとも思う。

自分の評価
★★★☆☆60点

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関東育ちの三十路親父です。
今は、関東に住んでいます。
現在、日本百名城攻略中!!
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「はやきこと風の如く、
 静かなること林の如し、
 攻めること火の如く、
 動かざること山の如し」。
よろしくです。
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