タヌキおやじの日々の生活 江畑謙介「情報と国家―収集・分析・評価の落とし穴」を読破!!     

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江畑謙介「情報と国家―収集・分析・評価の落とし穴」を読破!!

情報と国家―収集・分析・評価の落とし穴 (講談社現代新書)情報と国家―収集・分析・評価の落とし穴 (講談社現代新書)
(2004/10/19)
江畑 謙介

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故人である江畑謙介氏が執筆したインテリジェンスについて、特に軍事情報についての本である。
江畑氏は、どちらかというと、兵器とか戦略・戦術・戦闘についての評論が多いように感じていたが、インテリジェンスにも深い知識を持っていたということがわかる良書である。
イラク戦争における米英情報機関の失敗、北朝鮮の弾道ミサイル開発に関する情報分析などについて考察する。
また、インテリジェンスが、どのような手法によって生み出されるかを解説し、冷戦下においてどのようなことが行われていたかも説明している。
また、民間の会社組織におけるインテリジェンス活動と、軍・政府におけるインテリジェンス活動を比較して、会社組織において今後取り入れるべきインテリジェンス活動についても言及している。

目次
はじめに
第1章 氾濫する情報の落とし穴
「情報」という言葉の落とし穴/共産圏公刊情報のモニター/ラヂオプレスの役割/情報革命とインターネット/武装勢力もインターネットを活用/公刊情報と公刊インテリジェンス/公開情報利用の制限/エシュロン/産業スパイの巣窟とされた航空ショー/イメージ・インテリジェンス=商業高分解能画像衛星の実用化/シャッター・コントロール/衛星写真の立体映像化/マルチ・インテリジェンス/衛星写真の落とし穴/公刊情報・インテリジェンスと政府情報活動/情報収集戦略/ネットワークを使った産業スパイ/民間分野でも役に立つ軍と政府の情報手法/政府と民間企業の協力関係/データ・マイニングとデータ・ウエアハウス/技術的情報収集手段の限界/情報ノイズと分析における人間的要素/分析評価の落とし穴

第2章 情報収集・分析・評価の落とし穴
世界が疑わなかったイラクの生物・化学兵器保有/落とし穴に落ちた米英の情報機関/イラクの大量破壊兵器を巡る危機感の相違/米政権に同調という戦略が先にあったイギリス/石油の安定確保を望んだアメリカ/パトロール飛行、パレスチナ問題/技術手段に頼った米国のイラク大量破壊兵器査察/証拠とならない衛星写真/「出した者勝ち」の映像情報/確定的なものはなかった通信傍受情報/亡命イラク人に踊らされた米国情報機関/「セクシーにするために」イギリス政府が犯した過ち/「結論ありき」のイラク情報/職を賭してまでは異議を唱えない/米英政権には他に方法がなかった?/倒されるとは思っていなかったフセイン政権/米軍の首都接近を信じなかった共和国防衛隊/不信感から創られた親衛隊/フセイン大統領は「裸の王様」だった?/フセイン政権と似ている金正日政権/平壌が自分をどう評価しているかが分からない

第3章 情報の落とし穴に落ちないために
米英からの情報をそのまま信じたデンマーク/情報小国が「だまされない」ためには/北朝鮮弾道ミサイル保有の意図と命中精度/北朝鮮の弾道ミサイルと核弾頭/日本海に試射されたノドン1の真偽/基本常識からの情報評価すら行わなかった日本/全米科学者連盟によるノドンの推測/パキスタンとイランのミサイル発射で得られたノドンの手がかり/ノドン配備数の「常識的」な数字/数えられないはずのノドンの数/台湾を狙った中国のミサイル配備数/北朝鮮の新型ミサイル情報/「新型中距離弾道ミサイル」がありそうかの考察/北朝鮮地下施設「想像図」の考証/北朝鮮のトンネル施設が実証された時/一般常識を基にする/それでも常識外のことは起こる

おわりに

米国の情報機関は、シギントなどの技術手段によるインテリジェンスに偏りすぎているそうだ。
全体的に、ヒューミントが弱いというのは、定評となっているし、インテリジェンスを論じる人の共通認識みたいだ。
基本、敵国の指導者が何を考えているかまでは、衛星写真情報、盗聴、無線傍受からは分からないそうな。
オシント、シギント、ヒューミント、エリント、イミントなど、バランスよく収集して、そこから情報分析するのが、いいようだ。
ヒューミント以外の技術手段に頼りすぎた結果、イラク戦争では、イラクによる大量破壊兵器の所持・不所持について間違った判断を下してしまった。
しかし、原因は、それだけではなくて、背景には、アメリカは、イラク政権を打倒しなければならない理由があったとする。
そのため、アメリカの首脳陣は、イラクに対して戦争をするための口実を作るために、情報機関にイラクが大量破壊兵器を持っている証拠を出させようとした。
結論が先にありきだったのである。
そこで、人間の性質について考察している。
人間というやつは、あるものや人をこうだと思ったら、それを肯定する材料ばかりを受け入れて、それを否定する材料を受け入れない。
要するに、希望と予測をごっちゃにすると。。。。
これは、日本人なんかは、特に強いのではなかろうかと思う。
また、印象に残ったのは、本書が発行されたのは、9年前だが、秘密保持法についても言及している。
外国から秘密情報を得たときでも、我が国で秘密が漏れるようであったら、秘密情報をくれなくなると。。。
まあ、もっともな意見である。
常識的に考えて、秘密保持法みたいなものが必要なのは、明らかだ。
要は、情報公開と秘密保持の兼ね合いをどうするかが問題なんだろうなと思った。
北朝鮮のミサイルについても、他者の意見を鵜呑みにするだけではなくて、自分の頭で考えて、検証してみることの重要性について氏は述べている。

まあ、少々古い本だが、今読んでも、十分に価値のある一冊だと思った。

自分の評価
★★★★☆80点

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関東育ちの三十路親父です。
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現在、日本百名城攻略中!!
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