タヌキおやじの日々の生活 福田和也「山下奉文―昭和の悲劇」を読破!!     

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福田和也「山下奉文―昭和の悲劇」を読破!!

山下奉文―昭和の悲劇 (文春文庫)山下奉文―昭和の悲劇 (文春文庫)
(2008/04/10)
福田 和也

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山下奉文(やました ともゆき、1885年~1946年)とは、日本の陸軍軍人で第二次世界大戦当時の陸軍大将であった人である。
マレー作戦を指揮してシンガポールを陥落させ、最後は、フィリピン防衛戦を指揮した。
シンガポール陥落後の日本軍による華僑虐殺事件とマニラ虐殺事件の責任を問われて戦犯で絞首刑となった。
著者の福田和也氏は、文芸評論家で、なんだか左派だか右派だか分からん人である。
まあ、ウィキの情報もあてにならないところがあるので、その人の著作を丹念に読んでいかないと、実態は分からないが。。。
ただ、本書の内容は、客観的かつ公平な見方がされているように感じた。

目次
一 英雄
 大杉のもとに宿った二つの運命
 徹底した合理主義が生んだ「特攻の思想」
 貧困を眺めながら育った少年期
二 組織
 何故、皇道派に加担したのか
 山下・パーシバル会談の真相
 保田興重郎の山下観
三 粛清
 疑わしきは消す
 「死んだ兵隊のために動いてはナラン」
 「恐怖」によって辛うじて保たれていた中立
 井伏鱒二の筆による「マレーの虎」の横顔
四 敗北
 セクショナリズムの病弊
 大西瀧治郎の2000万人特攻論
 退却と飢餓
 屈辱に満ちた降伏調印式
 終焉の地ロス・バニョス
あとがき
山下奉文年譜
文献目録

健全な組織にいたら、当たり前の栄誉を与えられ、しかるべき地位を約束されていたであろう有能で人情ある人間が、病的な組織において、なんの栄誉も与えられず、使いまわされた挙句、戦犯で理不尽にも悲劇的な最後を遂げたという一例だと思う。
この人は、皇道派だと目されていた。
実際、皇道派の青年将校に対してそのように思われても仕方のないことをしていた。
そのため、昭和天皇から嫌われ、また、東条英機が皇道派の人間一様に対して行ったように、日本には一切帰らせず、前線勤務を続けさせて、いわゆる、冷飯食いみたいな目にあわされたわけである。
本書では、マレー作戦後に華僑虐殺を行った背景を書いている。
確かに許されないことではあるが、その背景は少しだけでも理解できたように思う。
一説によると、この事件は、辻政信の独断だったとするが、本書では、山下将軍が最終承認を与えたとされている。
ここらへんは、事実はどうなのかわからない。
ただ、辻政信が戦後、戦犯を逃れ、国会議員までになったのを考えると、非常な憤りを感じる。
また、一部の歴史によると、シンガポールの英軍司令官との降伏交渉の時に、山下はパーシバル将軍に対して非常に高慢であったとする。
が、「イエスか、ノーか」というのは、降伏を早くしてほしいと思う側からすると当たり前の発言なのではないかと思う。
敗者に対して配慮ができるというのは、相当に勝者に余裕があった場合だと思うし、実際問題として、相当に余裕がある敗者でも勝者に対して、非道な行動をとっているケースは歴史においては多々あるものだ。
その後、マレー作戦でその名将ぶりを示したにもかかわらず、戦局にはまったく関係のない満州に送られ、フィリピン戦が始まる直前で、どうしようもないときにフィリピン防衛の司令官に任命されるわけである。
ものすごい理不尽さを感じる。
確かに、昭和の悲劇と言ってよいと思う。
いかに、昭和陸軍が人材の使い方を知らなかったかを書いた本であると思う。
現在でも、人材の使用法について考えるときの反面教材として読むべき本と思う。

自分の評価
★★★★☆75点

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