タヌキおやじの日々の生活 青木理「北朝鮮に潜入せよ」を読破!!     

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青木理「北朝鮮に潜入せよ」を読破!!

北朝鮮に潜入せよ (講談社現代新書)北朝鮮に潜入せよ (講談社現代新書)
(2006/04/19)
青木 理

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以前読んだ「日本の公安警察」が面白かったので、本書を読んでみた。
凄まじい内容であった。
「日本の公安警察」がかわいく思えるくらいの凄まじさだ。
韓国がかつて行った北朝鮮への工作員潜入工作について書いた本である。
北朝鮮が韓国や日本に工作員を潜入させているのは周知の事実だが、韓国がかつて北朝鮮に工作員を送り込んでいたのは、日本ではあまり知られていない。
CIAが大戦後に東欧に工作員を大量に落下傘降下で送り込んで、9割がた失敗したというのは、「CIA秘録」に載っていたが、韓国の工作員潜入工作はそれを越える悲惨さであった。

内容の紹介(カバーより引用)
『訓練から潜入へ
訓練内容もやはり驚くほど多岐にわたる。
山岳踏破、読図法、射撃、テコンドー、護身術、特攻武術、開錠術、モールス信号などの通信技術、民心掌握術、窃盗や爆破の訓練・・・。
「こうした訓練を継続、反復して受ける。中でも最も重要なのは山岳踏破と爆破だった」
何かあったら自爆しろという「洗脳教育」も徹底して行われた。
・・・最初に与えられた任務は「拉致」だった。―――本書より』

目次
プロローグ―――軍事境界線を越えた工作員・金正植の証言
1章 存在を消された「特攻兵士」
 1 「国家機密」のベール、 2 北派工作の時代別背景
2章 潜入工作の開始
 1 一期生の証言、 2 陰地の兵士
3章 工作の全貌―――スカウトから訓練、潜入、除隊後まで
 1 牧場のブタ、2 守られない「約束」、3 国家のため
4章 潜入工作の周辺まで
 1 詩人の記憶、2 漁民工作員の孤独、3 30年の逃亡者
5章 実尾島事件の真実
 1 青瓦台襲撃、2 孤島の三十一人、3 悲劇の兄弟、4 事件の陰で
6章 北朝鮮の韓国潜入工作
 1 鉄条網をくぐり抜けて、2 陸路から海路へ、3 非転向長期囚の悲哀
7章 今も続く秘密工作
 1 潜入工作なき養成、2 政治謀略への流用、3 大物工作員「黒金星」
終章 癒えない傷
 1 補償に向けて、2 今も北の地で
あとがき

韓国の北朝鮮潜入工作は、朝鮮戦争後から1970年代まで続けられたようだ。
それらの一連の工作で帰ってこなかった人々は、1万人を超えるとのことであった。
担当した部署は、KCIAと陸海空軍の情報部である。
経路は、38度線を越えて潜入する場合と、漁船を偽装して拿捕されたと見せかけて敵情を偵察する場合とがあったみたいだ。
朝鮮戦争の直後は、共産主義を嫌って北朝鮮から韓国に逃れてきた人々を工作員として使い、60年代からは、社会の貧困層やあぶれた人々を金銭でスカウトして使った。
人間性を失ってしまうほどの訓練の後に潜入工作に従事し、ほとんどが帰ってこず、帰ってきた者も約束の待遇や金銭は与えられず、軍や情報部の監視下に置かれ、苦しい生活を強いられたり、精神的に変調をきたしたりする人がいた。
まあ、使い捨てみたいなことをしたわけである。
こういう感じであると、ベトナム戦争で送り込まれた韓国軍がベトナムの民衆を相手に残虐行為に及ぶわけだなあと納得した。
ともあれ、北朝鮮も韓国も似たようなことをやっているわけである。
ただ違うのは、北朝鮮は、比較的、上流階級の人々を使ったのに対し、韓国は、社会をあぶれた人々を使ったという点である。
映画「シルミド」は日本でも話題になったが、韓国軍が養成した囚人たちによる特殊部隊が反乱を起こすという実話を基にした映画であった。
実際は、囚人ではないが、社会からあぶれた人々であったらしい。
青瓦台襲撃事件という北朝鮮コマンドによる朴正煕大統領暗殺未遂事件が、かつてあった。
その報復として、朴大統領が金日成を暗殺させるべく、実尾島(シルミド)で特殊部隊を結成させ、非人道的な訓練を施した。
その後、南北融和によって作戦は行われないことになったが、実尾島の特殊部隊は作戦中止と苛酷な訓練と待遇の悪化によって暴発してしまう。
つまり反乱を起こしたと。。。。
朴大統領というと、今の韓国大統領の父親で、漢江の奇跡を起こした人物として、日本陸軍士官学校出身者として、日本では好意的に受け取られている。
ただし、娘の今の大統領は、まるでアホみたいだが。。。。
しかし、まあ、この人も、本書を読めばわかるが、コワイ人である。
経歴からでも、ふつうの人ではなくて、アブナイ人であるのは分かるが。。。
ロシアのプーチンと同じ種類のコワさを感じる。

また、これらの部隊が政権維持のために使用された例を挙げて、著者の青木氏は、情報機関なるものに多少否定的な考えをもっているようであった。
これは、「日本の公安警察」で公安に対しても同様に否定的であったと思う。
我輩は、国のトップが判断を下す時に、正しい情報を掴んでいた方が、国を正しい方向に導く可能性が高いと思うので、最低限の情報機関は必要ではないかと思うのだが、青木氏がそのように考えるのも一理あるし、現実を知っている人の意見は反対意見であっても聞くべきであると思う。
著者の青木氏は、韓国留学経験やジャーナリストとしての韓国特派員経験、日本の警視庁警備・公安担当経験があるから、実情を見ているのだろうと思う。
日本においては、脱原発にしろ、特定秘密情報保護法にしろ、イメージとか感情で判断して、中身をよく精査しないで反対している人が多いと感じる。
そういう意味で、本書の著者は、中身を分かったうえで否定的に捉えているのだと思う。
ただ、著者は、朝鮮半島の分断状態は、敗戦前に統治していた日本にも責任があると述べているが、そこまで日本が責任を負うべきではないと思う。
ともあれ、日本人が大戦中に経験したが、今は完全に忘れ去ってしまった極限状態というやつが、半島では、その後、あって、今でもかなりあるということが分かる一著であると思う。

自分の評価
★★★★☆80点

関連記事
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ティム・ワイナー著「CIA秘録 その誕生から今日まで」上下巻を読破!!

参考
シルミド/SILMIDO [DVD]シルミド/SILMIDO [DVD]
(2006/06/23)
ソル・ギョング、アン・ソンギ 他

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