タヌキおやじの日々の生活 白石仁章「諜報の天才 杉原千畝」を読破!!     

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

白石仁章「諜報の天才 杉原千畝」を読破!!

諜報の天才 杉原千畝(新潮選書)諜報の天才 杉原千畝(新潮選書)
(2011/08/12)
白石 仁章

商品詳細を見る


「日本のシンドラー」として戦中にユダヤ人を救ったことで有名な杉原千畝のインテリジェンス・オフィサーとしての側面を書いた本である。
ちなみに、杉原千畝(1900年~1986年)とは、日本の官僚、外交官である。
知ってる人は知ってると思う。
本書でのインテリジェンス・オフィサーの定義とは、情報ないしは諜報活動にたずさわる者だそうな。
真のインテリジェンス活動とは、ジェームズ・ボンドのような人物ではなく、地道に情報網を構築し、その網にかかった情報を精査して、未来を予測していく、そしてさらに一歩踏み込んで、予想される未来において最善な道を模索することと書いている。
満州や東欧における対ソ情報の取得が杉原の主な任務であった。
この人が、単なる人道主義者というだけでなく、きわめて優れた外交官、インテリジェンスオフィサーであったことが本書からわかる。

内容の紹介(カバー裏面より引用)
『「命のビザ」は類稀な外交官のインテリジェンスの賜物だった!
国難をいち早く察知する驚異の諜報能力。
この男にソ連は震えあがり、ユダヤ系情報ネットワークは危険を顧みず献身した―――。
日本の「耳」として戦火のヨーロッパを駆けずり回った情報士官の、失われたジグゾーパズル。
ミステリアスな外交電報の山にメスを入れ、厖大なピースを70年ぶりに完成させた本邦初の快挙。
日本が忘れ去った英知の凡てがここにある。』

目次
プロローグ 杉原の耳は長かった
第一章 インテリジェンス・オフィサー誕生す
第二章 満州国外交部と北満鉄道譲渡交渉
第三章 ソ連入国拒否という謎
第四章 バルト海のほとりへ
第五章 リトアニア諜報網
第六章 「命のヴィザ」の謎に迫る
第七章 凄腕外交官の真骨頂
エピローグ インテリジェンス・オフィサーの無念
おわりに

この人の外交官デビューは、満州国外交部であった。
そして、その名を高めたのが、ソ連からの北満鉄道譲渡交渉であった。
杉原は、白系ロシア人の情報網を活用して、ソ連側の情報を取得し、交渉を有利に進めた。
当時、満州には、共産党革命からソ連から亡命してきたロシア人が多数住んでいて、彼らを赤系ロシア人と区別して白系ロシア人と呼んだ。
杉原の最初の妻も白系ロシア人であった。
ソ連側は、杉原がどのように情報を得ているか分からず、杉原に少なからず恐怖を感じたようだ。
その結果、ソ連側は、のちに杉原をペルソナノングラータ(好ましからざる人物)として、在ソ連の日本大使館に赴任するために杉原がソ連に入国することを拒んだ。
しかし、それらの活躍にもかかわらず、杉原は、日本陸軍軍人の専横などに嫌気がさして、満州国外交部を退くことになる。
それから、ソ連への赴任をソ連側から拒絶された後は、リトアニアを中心に東欧で諜報活動に携わった。
おもしろいのは、ポーランド軍諜報部との協力である。
ポーランドは、大国ソ連とドイツの間に挟まれていたので、諜報活動に力を入れており、特にその暗号解読技術には一目置かれていた。
日本軍が暗号技術を学んだのも、ポーランド側の指導によるものが大きかったようだ。
杉原や陸軍大佐小野寺信は、ポーランドがドイツに占領された後も地下に潜伏したポーランド軍諜報部と協力関係を持った。
ここらへんは、一筋縄に行かない国際情勢というものを実感させられる。
対照的なのが、陸軍の大島浩中将である。
この人は、ドイツの日本大使を務めたのだが、ナチスドイツを信奉しすぎて、ドイツびいきの情報を流し続け、国を誤る一因となった。
何事も過信はいけないという一例かと思う。
戦争末期には、杉原や小野寺はヤルタ会談の情報を入手して、日本に送るが、これも活用されなかったようである。
小野寺信のほうは、皇道派と目されていたので、中央に居させてもらえなかったのだが、杉原氏にしろ小野寺氏にしろ、当時の日本政府や軍が優秀な人材を活用することなく終わってしまった例といってよいだろう。

本書であるが、ユダヤ人を救った人道主義者としてとらえられる杉原千畝のインテリジェンスオフィサーとしての側面を評価した書として面白く読めると思う。

自分の評価
★★★★☆80点

関連記事
岡部伸「消えたヤルタ密約緊急電―情報士官・小野寺信の孤独な戦い」

ポチっとお願いしますm(_ _)m
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

tatsunootoshigo

Author:tatsunootoshigo
関東育ちの三十路親父です。
今は、関東に住んでいます。
現在、日本百名城攻略中!!
座右の銘は、
「はやきこと風の如く、
 静かなること林の如し、
 攻めること火の如く、
 動かざること山の如し」。
よろしくです。
コメント、トラックバック、相互リンク、大歓迎です。

サイト内検索

日本百名城のインデックス

百名城インデックスへ

百名城以外のインデックス

百名城以外インデックス

博物館などのインデックス

博物館などのインデックス

タヌキおやじの足跡

タヌキおやじの足跡

※本ブログにおける訪問した場所の記事とグーグルマップを関連付けたホームページです。

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

月別アーカイブ

ランキング

ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 その他趣味ブログへ blogram投票ボタン

広告・宣伝

whiteheights-banner3.jpg

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。