タヌキおやじの日々の生活 吉村昭「戦艦武蔵」を読破!!     

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吉村昭「戦艦武蔵」を読破!!

戦艦武蔵 (新潮文庫)戦艦武蔵 (新潮文庫)
(2000)
吉村 昭

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吉村昭の「戦艦武蔵」を一週間くらいで読み終えた。
かなり面白かった。
戦艦武蔵とは、あの有名な戦艦大和の同型艦である。
この軍艦である(ウィキペディアより引用)。
musashi.jpg

武蔵については、大和の次に就役して、レイテ沖海戦で撃沈されたぐらいしか知らなかったんだけど、その建造に際しては、涙ぐましいまでの苦労があったことを知った。
艦の大きさとか主砲の大きさとかを米英に知られないようにするために、武蔵を建造する時の船台の周りを棕櫚で覆ったり、船台の対岸に米英の領事館があったため、目隠しのための倉庫を作ったり、進水するときは、防空演習と称して、憲兵と海兵団を動員して付近住民の外出を禁じたり。。。。
苦労の結果として、アメリカには、主砲の口径については、戦争が終わるまで知られることはなかったらしい。
戦争における狂気のエネルギー(っていいのかな?)みたいなものを感じる作品である。
戦争というのは、すごくエネルギーのいることらしい。
おれは、経験したことがないのでわからんが。。。

しかし、時は、戦艦の時代から航空機を積む航空母艦の時代へと移っていたのであった。
結局、武蔵は、日本海軍に航空母艦がほとんどなくなってしまう戦争末期のレイテ沖海戦まで出番がなくて、敵艦を一隻も沈めることなく(間違ってたらごめんなさい)レイテ沖海戦で、米軍の航空攻撃によって沈められてしまう。
膨大なエネルギーを注ぎ込んだ戦艦がその労力に見合うことなく沈んでしまうことに、戦争の虚しさを感じる。
でも、世の中のことって、無駄なことばかりなんだよね。
おれも、社会に出てはじめて知ったけど。。。。
苦労して、進めた仕事が結局、使われなかったときのあの虚しさ。。。。

と、話は変わるけど、この本を読んでて思い出したのは、敗戦50周年の時に、うちのじいちゃんから聞いた話であった。
そのとき、ちょうど、徳島のじいちゃんの家にいて、じいちゃんがおれに戦争のことを話しておかなければならんなとか言い出して、じいちゃんの戦争体験記を聞いたのであった。
その話によると、じいちゃんは、戦時中、中島飛行機(今の富士重工、戦時中の軍用機メーカー)の愛知県半田の工場で経理として働いていたそうな。
戦争末期になるとB29が爆撃に来るので、工場の近くに偽の飛行機を置いて、そっちに爆撃するように仕向けたのこと。
しかし、じいちゃんによると、米軍はそのことを知っていて、偽の飛行機の方には、まったく爆弾を落とさなかったと言っていた。
米軍がスパイ活動とかで本当に知ってたのか、それとも、単に工場施設を狙って落としたのかはわからないけど戦争というのは、とんでもなく労力を使うものであるということは、幼心に思ったものだ。
その後、地震が起きて、工場施設が全滅状態になったときは、じいちゃんも戦争には勝てんと思ったらしい。
それから、敗戦直前には、敵戦艦による艦砲射撃なんかもあったそうな。
じいちゃんが、戦争から学んだ教訓は、「大国には勝てん」ということだそうだ。

そりゃそうだよね。
だって、国力が十倍以上あるんだもんね。
しかし、あの戦争を経験した人のエネルギーというのは、すごいものがあるとも思う。
戦争が愚かなことであるのは確かだけど、エネルギーをもつ人々のなせる業であることも確かかもしれない。
話は戻るけど、他の吉村作品についても言えることだけど、司馬作品のような人間のロマンとかそういうものを一切抜きにして、人間の行いを冷徹に客観的にみて描写する姿勢がこの作品にはあると思う。
それが、吉村作品の魅力だと思う。

自分の評価
★★★★☆80点

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吉村昭「戦艦武蔵ノート」を読破!!
※吉村昭が「戦艦武蔵」を書くために取材する過程を書いた本。「戦艦武蔵」と一緒に読みたい。
Citron*day
アレクサンドリア図書館
インテリジェンスの使い方-賢くなる読書

参考
戦艦武蔵ノート (岩波現代文庫)戦艦武蔵ノート (岩波現代文庫)
(2010/08/20)
吉村 昭

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コメント

No title

はじめまして、クロノクルです
記事を読ませて頂きました

本当に戦争って割に合わないですよね
太平洋戦争の戦時体制を通じて、日本の工業化が準備されたとも聞きますが、失われた人命を考えればとても帳尻が合うものではありません

吉村昭は追いかけたいと思っていた作家ですが、『武蔵』の他に『零式戦闘機』までしか読めておりません(汗)
乱読癖でついつい他の本に手が伸びてしまって・・・
映画の記事も多いですが、暇な時に寄って下さい
  • 2010-02-21 23:22
  • URL
  • クロノクル=ローマの人 #-
  • Edit

Re: No title

こんにちは、クロノクルさん。
コメントありがとうございます。

確かに、太平洋戦争で、日本の工業化が準備されたという面もあるかもしれないですね。
でも、クロノクルさんのおっしゃる通り、失われた人命と較べると、到底割に合わないものですね。
吉村昭作品は、「彰義隊」「白い航跡」なんかも面白いですよ。
クロノクルさんのブログも拝見させていただきました。
幅広いジャンルの読書をされてますね。
自分も塩野七生さんと司馬さんの作品はほとんど読みましたよ。
ブログを始める前なので、ブログには書いてありませんが。。。
よかったら、またコメントいただけるとありがたいです。

> はじめまして、クロノクルです
> 記事を読ませて頂きました
>
> 本当に戦争って割に合わないですよね
> 太平洋戦争の戦時体制を通じて、日本の工業化が準備されたとも聞きますが、失われた人命を考えればとても帳尻が合うものではありません
>
> 吉村昭は追いかけたいと思っていた作家ですが、『武蔵』の他に『零式戦闘機』までしか読めておりません(汗)
> 乱読癖でついつい他の本に手が伸びてしまって・・・
> 映画の記事も多いですが、暇な時に寄って下さい
  • 2010-02-22 21:12
  • URL
  • tatsunootoshigo #-
  • Edit

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • 2011-09-12 03:12
  • #
  • Edit

Re: 戦艦武蔵について

コメントありがとうございます。

そうですね、「戦艦武蔵」は、サスペンスとしても一級のものになってますね。
客観性が高く感じられるので、小説というよりも史記という感じがします。
大和とか武蔵を作ったのは、まだ航空機の威力が分かってなくて、大艦巨砲主義といって、軍艦により大きな大砲を載せてより装甲を厚くした方が海戦に勝てる時代が続いていたからだと思いますよ。
だから、作った本人たちは、戦艦が航空機に負けるとは思ってなかったと思います。
ちょうど、第二次世界大戦は、大艦巨砲主義から航空主義に移る時期だったんですよ。

自分も呉の大和を作ったところ(今は、石川島播磨重工のドックになっている)には行ったのですが、長崎にはまだ行っていないので、将来、ぜひ行ってみたいです。

よろしければ、またコメントをください。
今後ともよろしくお願いします。
  • 2011-09-12 19:22
  • URL
  • tatsunootoshigo #-
  • Edit

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『戦艦武蔵』 吉村昭

『零式戦闘機』と並ぶ記録文学大作 戦艦武蔵 (新潮文庫)(2000)吉村 昭商品詳細を見る 『零式戦闘機』は航空機の技術史の割合が多く、それに...
  • 2010-02-21 23:06
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